エステサロンの開業に必要な7つのステップ

エステサロンの開業準備を進めようとしている方に向けて、知っておきたい4つの能力と開業までの7つのステップをお届けします。

この記事を読んでわかること

  • エステサロン開業に必要な4つの能力
  • エステサロンの開業費用
  • エステサロン開業までの7つのステップ

エステサロン開業に必要な4つの能力

エステサロン開業に必要な力は、技術力だと思っていませんか?

もちろんエステの技術はとても大切ですが、エステサロンを開業するには技術以上に必要なことがあるんです。
それは「経営力」と呼ばれるもの。エステサロン開業に必要な「経営力」について詳しく解説していきます。

エステサロンの開業=経営者になる

エステサロンを開業するということは「経営者になる」ということです。

サービスを提供するだけでなく、事業を継続するために利益を生み出す必要があり、人件費や家賃といったコスト計算や集客やリピーターを増やすためのマーケティング、サービスの質を保つための教育体制など、幅広い領域に目を配る必要があります。

経営力とは以下の4つの力を身につけることです。

  • サービス力
  • ファイナンス力
  • 物件選定力
  • 集客力

ひとつずつ詳しく解説していきます。

1. サービス力

エステサロンのウリを明確にしましょう。ターゲットとなるお客様の年代や悩みを洗い出し悩みを解決するメニューを具体的に決めましょう

目指したいサロン像を明確にして独自性を出すことで、お客様から選ばれるサービスづくりを意識しましょう。

2. ファイナンス力

ファイナンス力とは、資金繰りや事業計画の達成に向けてやりくりする力です。

売上を増やすだけでなく、利益が残るように広告費や人件費といったコストの観点についても事前に計画を立てましょう。

また開業にあたり初期費用の調達も必要です。家賃や内装工事費、人件費、広告費などを計算し、開業に向けた資金準備をします。資金力に不安がある人は、融資も検討しましょう。

3. 物件選定力

立地が悪いと、お客様の足は遠のいてしまいます。予算、立地、人の流れを考えて慎重に場所選びをしてください。

そして、コンセプトに合ったサロンを作る上で、スペースの広さや明るさといった観点も雰囲気づくりに欠かせません。現地訪問をしてしっかり見極めましょう。

4. 集客力

サロンをオープンしたところで、見込み客に認知されなければ、来店にはつながりません。

インスタグラムやツイッターなどのSNSを活用した集客方法が有効です。また、ホームページ作成やホットペッパー等のポータルサイトに登録する方法もあります。

例えば「新宿 エステサロン」と検索された際、自分の店舗が上位に表示されることで認知度を高めることができます。いきなり「新宿 エステサロン」といった、ビジネス的に魅力的な検索条件で上位を獲得することは競合も多く難しいため、「新宿 エステサロン 駅チカ」など、より詳細な条件で絞り込んでいき、ニッチなキーワードで上位を狙いましょう。

エステサロンに資格は必要?取得するなら『日本エステティック協会の資格制度』

エステサロンを開業するのに、必要な資格や免許はありません。しかし、お客様からの信頼とオーナーとしての自信を獲得するには、資格取得がおすすめです。

『日本エステティック協会の資格制度』は日本エステティック協会の会員になることで、以下の資格を取得できます。

  • AJESTHE認定エステティシャン
  • AJESTHE認定上級エステティシャン
  • AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
  • AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン
  • AJESTHE認定ボディエステティシャン 

など

詳しくは、一般社団法人日本エステティック協会 (ajesthe.jp)をご覧ください。エステサロンの開業を考えているのであれば、知っておきたい資格制度です。

出典:一般社団法人日本エステティック協会

エステサロンの開業時に重要な3つのポイント

エステサロンの開業時に重要なポイントは以下の3つです。

1.物件探し

2.内装準備

3.必要な機材の準備

一つずつ詳しく解説していきます。

1. 物件探し

エステサロン開業前に重要なポイントの1つ目は物件探しです。エステサロンのコンセプトが決まったら、イメージに合う物件を探します。特に、条件の良い立地にお店を構えることが重要です。

立地選定

地域によって、立地選定のポイントは異なります。都心部の場合、駅から歩ける距離にある物件が好ましいです。一方で地方は車移動がメインになるので、駐車場があれば郊外の物件でも良いでしょう。

そのほかにも立地選定で大切なポイントが3つあるため、じっくりと見極めて、立地を選定しましょう。

・商圏エリアはショッピングモールや駅などがあり人が集まるエリアなのか
・エステサロンのターゲット層が集まる地域なのか
・競合他社が同じ地域に多くないか

2. 内装準備

エステサロン開業前の重要なポイントの2つ目は内装準備です。居抜き物件の場合とゼロから物件を借りる場合とで内装準備も変わってきます。

居抜きの場合は内装をそのまま使用でき、内装工事費用を抑えることが可能です。リフォームをする場合は内装工事費はかかりますが、希望のサロンに近づけられるでしょう。

ゼロから理想のエステサロンを開業する場合は自由な内装工事が可能です。費用はかかりますが、納得のいくサロンが完成します。

3. 必要な機材の準備

内装の準備が終わったら、次に必要なポイントが機材の準備です。エステサロンの施術内容によって必要な機材が変わってきます。

必要最低限のものは、以下のとおりです。

  • 施術用ベッド
  • 施術用の椅子
  • エステ用の器具
  • タオルウォーマー
  • 消毒器具
  • パソコン

ベッドや椅子は、お客様やエステティシャンに負担の少ない、使いやすいものを選んでくださいね。

清潔感、消耗品の準備

エステサロンは清潔感がとても大切です。消耗品はお客様に触れるため、なるべく質の良いものを選ぶのがおすすめです。

代表的な消耗品は、以下のとおりです。

  • タオル類
  • シーツ類
  • 下着やガウン
  • スリッパ
  • 化粧品
  • マスク

その他にも、必要な物をリストアップしてサロン開業に備えましょう。

エステサロンの開業に掛かる主な費用内訳と具体的な金額は?

エステサロンを開業するには、まとまった費用が必要です。物件やサービス内容によっても初期費用は変わってきます。自宅サロンの場合は50〜100万、賃貸の場合は100〜500万円の初期費用を目安に考えておきましょう。

エステサロン開業に掛かる費用の内訳をご紹介します。

敷金/保証金/物件の初期費用:100〜300万円程度

物件を借りる場合は、敷金・礼金がかかります。敷金・礼金は家賃の4〜6ヶ月分を目安にしましょう。

保証金が必要な場合は家賃の1年分が必要です。

また、内装費用もかかります。内装リフォームの費用は、物件によって異なるため一概には言えませんが、100〜300万円程度を目安にしておくと良いでしょう。

機材・備品:10〜30万円程度

エステの施術で必要な機材は、施術内容によって異なります。ベッドは、数万円〜20万円程度、タオルウォーマーは1、2万円程度必要です。脱毛サロンの場合は、500万円以上の脱毛機もあるため、必要なものをリストアップしてみましょう。メーカーによっては、高額の機材をレンタルしてくれることもあるので、チェックしてみてくださいね。

その他の備品類は、10〜30万円程度の予算を見ておきましょう。

消耗品:数万円程度

タオル、カルテ、ガウン類、アルコール類などの消耗品は、数万円程度で揃えることができます。

集客コスト(広告費):10万円〜100万円程度

集客のためには、開業時の広告費が必要です。仮にホットペッパービューティーに搭載するのであれば、安くて1ヶ月2、5万円は必要です。ホームページの作成にも費用がかかります。開業当初から顧客を確保したい場合は、数十万〜100万円程の広告費を予算にしましょう。

ホームページを自分で作成したり、SNSを活用したりすることで集客コストを抑えられます。

エステサロン開業までの7つのステップ

エステサロンを開業するまでには、以下の7つのステップを踏む必要があります。

  1. 事業計画書の作成
  2. 頼れる専門家さがし
  3. 物件探し
  4. 資金調達
  5. 物件の契約
  6. 店舗づくり
  7. オープンに向けた準備

ひとつずつ理解を踏まえ、サロン開業までのロードマップを明確にしましょう。

1.事業計画書の作成

はじめに、事業計画書を作成します。事業計画書は、サロン経営の基礎になるだけでなく、金融機関や公的機関から融資・助成金を受けるためにも必要となります。開業資金を準備するのにとても大切なので、綿密に練りましょう。

事業計画書には、メニュー作りと料金設定を考えておくことも大切です。施術料金は開業後、簡単には変更できません。長期的にサロン経営することを考え、サロンの立地とターゲット層のお客様に合わせた料金設定をしましょう。

2.頼れる専門家さがし

エステサロン開業には、信頼できる専門家の力が必要です。税理士、開業済みのエステサロン経営者、不動産会社など、頼れる専門家を探して、サロン開業を手助けしてもらいましょう。

専門外のことを一人で調べるのは難しいため、専門家の意見を聞き、自分の理想のエステサロンを作っていくことが大切です。

3.物件探し

繰り返しになりますが、サロンの立地は集客に大きく影響するため、予算を含めて慎重に検討しましょう。また、エリアの調査や、アクセスのしやすさ、ライバル店などもしっかり調査しておきましょう。

マンションの一室を自宅サロンとして使用する場合は、物件によって営業の制限があったり、近隣の住民からの苦情などがあったりするとトラブルにつながります。トラブルにならないよう、サロン開業をしても良いか事前に確認しておくことが重要です。

4.資金調達

エステサロン開業にはまとまった資金が必要です。業者からの見積もりをもとに、開業資金を試算します。

資金調達の方法としては、融資や助成金、店舗リース、身内からの援助など様々な方法があります。助成金が活用できる場合は開業前から計画して、積極的に活用しましょう。どの方法が自分に合っているのか、慎重に検討してください。

5.物件の契約

資金調達の目処がたったら、物件の契約をします。内装契約なども必要になります。契約内容に不備がないかきちんと確認して、納得してから契約に移りましょう。

6.店舗づくり

店舗づくりには、内装工事や器具など設置があげられます。内装工事は信頼できる業者と一緒に進めていきましょう。良いサービスを提供するためには、サロン内を効率良く動けるような作業動線を考えることも重要です。

エステに使う器具などの設備は内装工事の日程を考慮して準備しましょう。電気、ガス、水道、電話回線、インターネットなどの契約も忘れずに行ってくださいね。

7.オープンに向けた準備

店舗づくりの合間にオープンに向けた準備をします。ホームページ作成や、開店の告知、チラシ作りなど、広告の準備が必要です。予約管理の方法、支払い、カルテ管理などの営業中に必要な事項も細かく決めておきましょう。

万全に準備しても、営業中のトラブルや事故が起こらないとは言い切れません。万が一のために、保険に加入しておくのもおすすめです。

「いきなりは怖い」人はシェアサロンでプチ開業を

いきなりエステサロンを開業することに抵抗がある方は、、シェアサロンを活用して「プチ開業」を検討しましょう。

シェアサロンを活用した「プチ開業」

シェアサロンを活用した「プチ開業」を通じて、店舗を持たずに開業に向けた準備や集客、施術などの経験を積むことができます。

シェアサロンとは?

シェアサロンとはエステやネイルなどの美容に関するビジネスのために、施術スペースや、施術に必要な設備を有料でレンタルできるサービスです。手軽に個人サロンを開業できるため人気を集めています。

近年、企業に雇われずに個人でサロンを経営する技術者が増えているため、シェアサロンの需要が高まっています。

シェアサロンを活用するメリットは失敗するリスクを抑えられる

シェアサロンを活用することで失敗するリスクを抑えられます。
シェアサロンを利用するメリットは以下の3つです。

  1. 固定費が掛からず低コストでお試しができる
  2. 物件選びで失敗しても他を見れる
  3. 立地が良いとこを選べる

ひとつずつ詳しく解説していきます。

1. 固定費が掛からず低コストでお試しができる

固定費が掛からず低コストで開業できるのが大きなメリットです。シェアサロンは、時間単位または月額料金を払うだけで誰でも利用できます。個人で店舗を構えると、毎月の家賃、光熱費、通信費などの固定費がかかります。一方のシェアサロンは、営業する間の利用料のみを払えばいいので、低コストで済みますよ。

シェアサロンは、店舗を構える前にサロン経営のお試しをしたい人におすすめです。

2. 物件選びで失敗しても他を見れる

シェアサロンは、気軽に働く場所を変えられるのも大きなメリットです。一度店舗を構えてしまうと、簡単に店舗移動は難しく、物件選びは大きなリスクをともないます。一方シェアサロンは、営業してみて場所選びに失敗したと感じたら、他のシェアサロンに移ることが可能です。

場所にとらわれずにエステサロン開業が可能なのがシェアサロンの特徴です。

3. 立地が良いとこを選べる

シェアサロンの多くは、駅の近くなど好立地の場所にあることが多いため、立地がいい場所での開業が可能です。個人で店舗を構える場合、立地がいいところに出店するには家賃も高くなってしまいます。

立地は、集客に大きく影響するため、少ない費用で立地の良い場所にサロンを構えられるメリットは大きいですね。

まとめ

エステサロン開業に必要な能力、開業時の準備、開業ステップについて解説しました。

  • エステサロン開業に必要な力は「経営力」で、サービス力、ファイナンス力、物件選定力、集客力を培う必要がある
  • エステサロン開業に掛かる初期費用は、自宅サロンの場合は50~100万円、賃貸の場合は100~500万円が目安
  • エステサロンを開業するまでのステップは次の7つ
  1. 事業計画書の作成
  2. 頼れる専門家さがし
  3. 物件探し
  4. 資金調達
  5. 物件の契約
  6. 店舗づくり
  7. オープンに向けた準備

今回ご紹介したエステサロン開業に必要な知識とステップを実践して、自分だけの素敵なエステサロンを実現しませんか。

「いきなりエステサロン開業は不安」という人には、シェアサロンを活用するのもおすすめですよ。

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