開業したいセラピスト向け!開業方法5パターン別メリット・デメリット

開業を目指すセラピストにとって、最初の悩みとなるのが開業後の営業形態ではないでしょうか。正しく情報収集を行い、自分のスタイルや目標に合う選択をすることが大切です。今回の記事では、セラピストの主な開業パターンそれぞれのメリットとデメリットを解説します。

セラピストの開業スタイルはこの5パターン

まず前提として、セラピストの開業スタイルにはどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。主に挙げられるのは、以下の5つのパターンです。

自宅サロンで開業する

セラピストであれば、自宅をサロンとして利用し、お客さまを招いて施術を行うことができます。外で場所を確保するよりも気軽に始められるため「まずは自宅で」という選択をする人も多いです。

もちろん、自分が生活している場所を利用するために一定のスペースの確保が必要になります。また、お客さまが快適に施術を受けられるよう、清潔感を保ったり、生活感を無くしてサロンに近い雰囲気を意識したりする工夫が求められるでしょう。

賃貸マンションでサロン開業する

マンションの一室を借り、サロンとして営業するパターンもあります。月々の家賃が必要になりますが、それでも貸店舗よりは値段を抑えられるため、挑戦しやすい選択肢の一つでしょう。

また、費用を抑えながら、自分好みの空間を演出しやすいところも魅力です。一室を丸ごとサロンとして利用できるため、マンションでありながらも生活感を抑えることができます。工夫を凝らせばプライベートサロンのような雰囲気づくりもできるでしょう。

貸店舗(テナント)でサロン開業する

テナントとも呼ばれる貸店舗とは、オフィスビルや商業ビルと賃貸契約を結び、入居する店舗のことです。貸店舗なら、お店が多く入ったビルや商業施設の一角などにサロンを構えられるため、人通りの多い場所を拠点とすることができます。

また、住居利用が前提のマンションに比べ、自分好みのサロンを作りやすいのも特徴です。費用はかかりますが、内装にこだわればお客さまに非日常の空間を提供できるサロンが実現できるでしょう。

出張スタイルでサロン開業する

自宅や店舗を構える選択肢だけでなく、出張という形も可能です。出張の場合は一般的に、お客さまの自宅や宿泊先に必要なものを持ち込んで、施術を行います。そのため、仕事や家事、子育てで忙しい主婦や高齢者など、サロンに通う手間を省きたい方からの需要が高いです。

移動の手間はありますが、自宅や店舗を拠点にする場合と比べて事前の準備や資金が少なく済み、手軽に始めることができるでしょう。

レンタルサロンでサロン開業する

レンタルサロンとは、フリーランスのセラピストや美容師向けに、施術を行うための部屋や設備を貸し出している施設のことです。自分以外のセラピストと共有するという特徴から、シェアサロンと呼ばれることもあります。

場所や設備ごと借りることができるため、予約さえすれば気軽に活用できるのが特徴です。開業したてのセラピストで、軌道に乗るまではレンタルサロンを利用するという人もいます。

自宅サロン開業のケース

ここからは、それぞれの開業パターンのメリット・デメリットを詳しく紹介します。まず、自宅をサロンとして利用する場合には、どのようなメリット・デメリットが挙げられるのかを見ていきましょう。

自宅サロンを開業するメリット

家事・育児と両立しやすい

自宅をサロンとして利用する最大のメリットは、日々の合間の時間を活用して施術を行うことができる点です。家事の時間が落ち着く時間帯や、子どもが保育園・学校へ行っている時間帯など、予約のスケジュールを調整することで、忙しい日々の中でも家事・育児との両立がしやすいでしょう。

通勤時間に伴うストレスゼロ

また、自宅をサロンにすることで、通勤時間を削減できるのも大きなメリットです。通勤が必要となると、どうしても施術前後に時間や労力がかかってしまいます。自宅サロンなら、生活圏内から出る必要が無いため、通勤に対してストレスが無く、時間も更に有効活用することができるでしょう。

自宅サロンを開業するデメリット

仕事とプライベートの区別がしにくい

本来、プライベート空間であるはずの自宅がサロンになることで、仕事とプライベートの区別がつきにくくなるデメリットがあります。融通の利きやすさから、つい働きすぎてしまい、体調を崩してしまうことにもなりかねません。予約を入れる時間を固定したり、休みの日を定期的に設定したりして、上手に自己管理を行う必要があるでしょう。

近隣トラブルへの配慮が必要

自宅サロンで気を付けるべきなのが、近隣トラブルです。対策や許可をとっていなければ、トラブルを招いてしまいます。マンションでのサロン開業であれば、住民以外の人が出入りすることになるため、周辺住民や管理人の理解を得る必要があるでしょう。また、違法駐車などの問題が起こらないよう、お客さまにも注意喚起を徹底することが大切です。

賃貸マンションでサロン開業する

次に、賃貸マンションでのサロン開業について詳しく解説します。マンションの一室を借りてサロンを行うパターンには、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。

賃貸マンションでサロン開業するメリット

メリハリがつけられる

自宅と施術場所を区別することで、気持ち的にも仕事とプライベートのメリハリをつけて業務に取り組みやすくなります。また、マンションの一室という空間でありながら、生活感を抑えたサロンを実現することも可能です。工夫を凝らせばお客さまにとっても、リラックスできる非日常の雰囲気を味わってもらえることでしょう。

情報の公開ができる

自宅サロンは住所や電話番号などの情報を開示するのが難しいですが、賃貸マンションでのサロン開業であれば、気兼ねなく情報を公開できます。これらの情報を公開できると、ネット検索などでも目に留まりやすくなったり、お客さまとコンタクトがとりやすくなったりすることが期待できます。集客にも大きなメリットとなるでしょう。

賃貸マンションでサロン開業するデメリット

サロンの開業ができる賃貸マンションが少ない

住居として利用されることが前提の賃貸マンションは、サロン目的では契約できない場合も多いです。立地に優れたマンションなどを利用したいと思っても、叶わないことも少なくありません。賃貸マンションでの開業を考える場合は、簡単には見つからないことを前提として探していく姿勢が求められるでしょう。

路面店などに比べると集客が難しい

マンションは住む場所として適した環境が優先されています。そのため、路面店などに比べると人目がつきにくい場所が多く、集客が難しい点がデメリットとして挙げられるでしょう。とはいえ毎月、固定費として家賃が発生するため、安定した収入が必要です。SNSなどを活用し、積極的に集客に取り組むことが求められます。

貸店舗(テナント)でサロン開業する

ゆくゆくは、ビルや商業施設などの貸店舗(テナント)で開業したいというセラピストも少なくありません。具体的にどのようなメリットや注意点があるのか、確認していきましょう。

貸店舗(テナント)でサロン開業するメリット

非日常のサロンを作りやすい

生活感のある自宅や賃貸マンションに比べ、貸店舗であれば、お客さまがよりリラックスできる非日常の空間を作りやすくなります。内装を自分好みに設定しながら、理想のサロンを作り上げることができるため、モチベーションの向上にも繋がるでしょう。また「一度に何人まで施術するか」など、利益を想定してベッドの台数や設備を整えることも可能です。

エステサロンとして認知されやすい

ビルや商業施設内に出店できる貸店舗の大きなメリットは、人からエステサロンとして認知されやすい点です。外観の装飾や広告にこだわったり、看板を使ったりしてアピールすることができるのは、集客において非常に有利になります。また、商業ビルなどであれば他の店舗と隣接するため、人目につきやすくなるのも長所と言えるでしょう。

貸店舗(テナント)でサロン開業するデメリット

物件取得や内装工事などの初期投資が大きい

貸店舗での開業は、他のパターンに比べて初期投資に多くの費用がかかる点がデメリットです。物件を取得するための敷金、礼金、仲介手数料だけでなく、内装工事費も必要になります。内装に関しては、1坪当たり15万〜30万円ほど必要になるでしょう。ラグジュアリーな雰囲気を求めるほど、より費用は高額になります。

賃貸契約書、内装工事請負契約書など、交わす契約書の数が多い

物件を取得して開業にいたるまで、交わす契約書の数が多くなるのも貸店舗ならではの注意点です。たとえば賃貸契約書、内装工事請負契約書などが挙げられます。煩わしいからといってよく確認せず契約を交わすと、後にトラブルになりかねません。多くの手続きが必要なことを知った上で、一つ一つ入念に内容を確認することが大切です。

出張スタイルでサロン開業する

お客さまのもとへ自ら足を運ぶ出張スタイルでのサロン開業は、事前準備が少なく手軽に挑戦しやすいパターンです。メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

出張スタイルでサロン開業するメリット

固定費がかからない

出張という形態であれば、拠点となる店を構える必要がないため、家賃や水道光熱費などの固定費をかけることなく営業することができます。また、自宅サロンや店舗を持つ場合に不可欠となる家具も、出張の場合は調達する必要がありません。賃貸マンションや貸店舗での開業と比較しても、大きく費用を抑えることができるでしょう。

単価を高く設定できる

お客さまのもとへ足を運んで負担を減らすサービスを提供する分、単価を高めに設定できるのも、出張スタイルのメリットです。もちろんセラピスト側の負担はあるものの、交通費や通勤時間などを踏まえた価格を上手に設定することで、お客さまも自分も満足できるサービスを提供することができるでしょう。

出張スタイルでサロン開業するデメリット

女性の場合、危機管理が必要

お客さまの自宅や宿泊先などの密室に足を運ぶ出張スタイルは、安全面でのリスクがどうしても伴います。特に女性の場合、自分の身を守るための危機管理が必要です。どのようなお客さまが相手でも、いつ何が起こるかわからないという考えをもっておくことが求められます。出張を選ぶ場合は、お客様を女性のみに限定するなど、自衛のための管理を行うようにしましょう。

毎回環境が変わる中で施術をする必要がある

自宅や自分の店舗とは違い、出張の場合は毎回環境が変わる中で施術を行う必要があります。時には自分が思っていたよりも劣悪な環境で、施術が求められることもあるかもしれません。どんな環境でもベストを尽くせるように練習を重ねたり、簡易ベッドなどの対策ができるグッズを持ち歩いたり、環境の変化にも対処できる力が必要です。

レンタルサロンでサロン開業する

施術場所を借りるレンタルサロンも、開業してから気軽に利用できるパターンの一つです。開業したてのセラピストが利用することも多いレンタルサロンは、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

レンタルサロンでサロン開業するメリット

固定費がかからない

出張の場合と同様、レンタルサロンであれば固定費がかかりません。また、レンタル料金以外に費用がかからないため、開業リスクが低い状態で挑戦することができます。特にコストパフォーマンスにこだわっているレンタルサロンを選べば、大きく費用を抑えながらの営業も叶うでしょう。

できるだけ経費を減らして利益を出したい人や、集客に集中したい人はもちろん、開業前に一度副業として挑戦してみたいという人にもおすすめです。

複数のサロンを使い分けることが可能

レンタルサロンであれば、各地にある複数のサロンを使い分けることも可能です。出張では環境を選べませんが、レンタルサロンであればいつでも施術に適した空間を利用できます。

サロンによって異なる特徴や立地を考え、お客さまの好みや希望の場所に合わせて利用するサロンを選択できる点は、レンタルサロンならではのメリットです。特に都心や人通りの多い場所に多く展開しているレンタルサロンであればその分選択肢も多く、幅広いお客さまに施術を提供できるチャンスが広がるでしょう。

レンタルサロンでサロン開業するデメリット

借りたいときに借りられない

予約がすでに埋まっているなどの理由で、借りたいときに借りることができないのが、レンタルサロンのデメリットです。

自分やお客さまの都合で「どうしてもその時間に、その場所でなければいけない」という場合、予約をとることができないと貴重な施術のチャンスを失うことになります。できるだけ複数のレンタルサロンを選択肢に入れておき、たくさんの候補を常に用意しておくと良いでしょう。

レンタルできる備品に限りがある

ほとんどのレンタルサロンはベッドなどの最低限の設備が整っていますが、施設によってその充実度にばらつきがあります。たとえば、消耗品が借りられる場合もあれば、ベッド以外は一切何も置いていないという可能性もあるでしょう。

また、タオルなどが用意されていたとしても、常に清潔に管理されているとは限りません。いずれにせよ、初めて利用する場所は事前によく調べ、準備しておくことが求められます。

まとめ

セラピストの開業パターンには、それぞれメリット・デメリットがあります。開業してすぐは手軽に営業が始められる形態を選び、集客や売り上げが安定してくれば別の方法を検討することも一つでしょう。大切なのは、自分の理想の姿を明確化し、それに合った開業パターンが何かをしっかり考えることです。開業に踏み出す際は必ず事前に調べ、自分に合っているやり方慎重に検討するようにしましょう。

【あわせて読みたい記事】
レンタルサロン(シェアサロン)で開業!開業届などの必要事項や失敗を防ぐには?
セラピスト開業のためのお金のガイドブック 初期費用やお金の借り方
エステサロンの開業に必要な7つのステップ
開業したいセラピスト向け!開業方法5パターン別メリット・デメリット
鍼灸師として開業したい!出張専門の鍼灸師開業ならシェアサロンがおすすめ