お客様に癒しを提供するリラクゼーションサロン。店舗を借りて営業するスタイルだけでなく、セラピストが出向いて施術を行う出張型など営業スタイルは様々です。
本記事では、リラクゼーションサロン開業の流れや必要資金など、サロン開業の手順を徹底解説しています。
リラクゼーションとは?
リラクゼーションとは、身体の不調をマッサージやアロマなどを利用して、お客様の健康を増進させるものです。
医療行為ではないため、治療ではなく’’癒やし’’を提供するのがポイントです。
ここからは、リラクゼーションの市場規模やサービス内容について紹介します。
リラクゼーション市場規模について
国内のリラクゼーション市場規模は2018年時点で1,196億円となっており、2014年以降増加傾向にあります。2022年現在も、業態を変えつつ、拡大傾向にあることが予想されます。
一昔前までは、ハンドマッサージ店が主流でしたが、近年では酸素バーやヘッドスパなど、メニューやサービスが多岐にわたっています。増えています。
また、新規参入が増えており、低価格で施術を提供する店舗も増加しています。60分6,000円以上の価格を維持して、店舗を経営していくのは難しくなっているのが現実です。とはいえ、低価格にすれば安心というわけでもありません。他店との差別化やお客様に寄り添ったサービス設計が何より重要になります。
サービスの内容について
リラクゼーションには、このようなサービス内容があります。
- 指圧・あん摩
- アロママッサージ
- タイ古式マッサージ
- カイロプラティック
- 足つぼマッサージ
セラピストによって得意としている分野は異なり、リラクゼーションのサービス内容は多岐に渡ります。
リラクゼーションサロンを開業するための条件とは?
リラクゼーションサロンを開業するためには、いくつかの条件があります。ここからは、その条件を1つずつ紹介していきます。
開業するときは個人事業主としての届出が必要
個人でリラクゼーションサロンを開業すると個人事業主になります。
個人事業主になるためには、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届とは個人で事業を始めた1ヶ月以内に提出しなければいけない書類なので、なるべく早く手続きを済ませておきましょう。
資格は必要?もっていると役立つ資格
リラクゼーションサロンを開業するためには、必ずしも資格が必要ではありません。
しかし、資格を持っていると、お客様に高度な技術や知識を提供できる上に、信頼度もアップするので持っておいて損はないですよ。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧という3つの技術を使って、お客様の不調を解消・軽減します。
あん摩マッサージ指圧師になるためには、高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣の指定する学校・養成施設で3年以上勉強する必要があります。受験資格を得たら東洋療法研修試験財団が実施するあん摩マッサージ指圧師の国家試験を受験できますよ。
アロマテラピー検定
アロマテラピーとは、植物の有効成分を含んだ精油を用いて、リラックスできる空間を作ったり、毎日の健康をサポートしたりするものです。
アロマテラピー検定は、特に受験資格などはなく、年齢・性別・学歴問わず受験できます。筆記テストと香りテストで構成されており、全問マークシート形式になっています。
リンパケアセラピスト資格
リンパケアセラピストとは、アロマオイルを使って、リンパの流れを整え、美肌、痩身、身体の不調改善、デトックスなどを行います。
協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した方に受験資格が与えられます。
リラクゼーション開業までの基本的な流れ
開業までは様々なステップを踏まなくてはならないので、計画的に行いましょう。
ここからは開業までの基本的な流れを紹介します。
- お客様のターゲット選定
- コンセプトを決める
- 資金計画を練る
- 内装工事の準備をする
- 機材・設備・備品を揃える
- 税務署に個人事業の開業届を提出する
- 集客をする
1. お客様のターゲット選定
まずは、サロンのメインとなるお客様の人物像を考えましょう。お客様の人物像のイメージがあると、そのターゲットに刺さるコンセプトを考えやすくなります。
より詳しいターゲットを設定するには、ターゲットをより具体化していく、ペルソナ設定が重要になります。ペルソナ設定をすることで、ターゲットとなるお客様の好みや生活スタイルが明確になり、メニュー設定や価格設定もしやすくなります。
2. コンセプトを決める
ターゲットが決まったら、サロンのコンセプトを決めましょう。
コンセプトは、ターゲットとなるお客様の問題解決ができる内容にすることがポイントです。また、具体的には「特徴」+「強み」を明確にしておくことが良いコンセプト作りに繋がります。コンセプトを決めておくと「バリのような高級リゾート風」「白を貴重としたゴージャスな空間」など内装も決めやすくなります。
SNSや広告を出す場合も、コンセプトに沿ったものを統一感を持って作成すると、お客様にもコンセプトが伝わりやすくなりますよ。
3. 資金計画を練る
サロンを経営するために、創業計画書を作成しましょう。
創業計画書とは、数字によって具体的に経営計画を表現した文書のことです。創業に際し、金融機関で融資を受ける際、必要な書類ですよ。
4. 内装工事の準備をする
サロンのコンセプトに合わせた内装を考え、準備を行いましょう。
相場は坪単価15万〜40万円程度です。そのため、5坪程度のコンパクトなサロンであれば内装デザインの費用は75万〜200万円程度が目安です。
費用を抑えたい方は、レンタルサロンや居抜き物件を利用するのがおすすめですよ。
5. 機材・設備・備品を揃える
施術を提供するにあたり、必要になる備品を揃えましょう。提
提供する施術によって必要備品は異なりますが、プロ用メーカーなどで大量に購入すると費用を抑えられます。また、必ず一度は試した機材や備品を購入するようにしましょう。
また、レンタルサロンであれば、最低限の備品は準備されているので費用を抑えたい方は、検討してみてください。
6. 税務署に個人事業の開業届を提出する
ここまで準備が整ったら、税務署に個人事業の開業届を提出しましょう。
開業届は事業を開始した1ヶ月以内に提出する必要があります。
特に準備は必要なく、税務署に行き書類を記載するだけで提出できます。また、「開業Freee」というサイトを使用すれば、自宅にいながら提出できますよ。
7. 集客をする
オープンに向けて、以下のような媒体を利用して集客を行いましょう。
- ブログ
- SNS
- ホームページ
- リラクゼーション関係のポータルサイト
ブログやSNSは無料で初められるものが多いので、登録しておきましょう。また、ホームページを作成し、メニューや料金を公開しておくのもおすすめです。
リラクゼーション関係のポータルサイトに掲載してもらうのも良いでしょう。近年は、掲載料がかからず、成果報酬型のポータルサイトが多くなっています。
リラクゼーションサロンの店舗形態
リラクゼーションサロンは、店舗型だけでなく自宅型など幅広い形態で営業できます。
内装にしっかりこだわり営業するなら店舗型、副業として開業するなら出張型など自分の働き方に合わせられるのがメリットです。
ここからはリラクゼーションサロンの店舗形態について紹介します。
1. 店舗型
貸店舗を借りて開業するため、内装や立地にこだわって営業できます。居抜き物件などを借りれば、費用を抑えつつ自分好みのサロンにすることも可能です。
デメリットは、内装費用や備品費用がかかるので、低コストに抑えたい方には向いていません。
2. 自宅型
自宅型は自宅の一部に、施術ベッドや備品などを置いて営業するスタイルです。
家賃がかからないので売り上げのほとんどが利益になるのがメリットです。また、子供連れのお客様でも来店しやすいのもポイントです。しかし、立地を選べないため集客が難しくなってしまう場合があります。
3. 出張型
出張型は、お客様の希望の日時や場所に出向いて施術を提供します。
ターゲットは、高齢の方や家から出れない方が想定されます。様々な立地に出向けるので集客しやすいことや、副業でも挑戦しやすいのがメリットです。
しかし、移動時間が必要になるため、1日に対応できる人数が少なかったり、女性の場合は危機管理が必要になったりなどデメリットも存在します。
4. 間借り型
サロンの一部などで営業する間借り型は、使いたい時に好きなだけ借りられるのがメリットです。
店舗型は、家賃の初期費用が多くかかりますが、間借り型はそういった初期費用がかからないのでコストを抑えたい方におすすめです。
デメリットは、内装にこだわれないことや、希望の日時に予約が埋まってて借りられないことがあることです。
5. フランチャイズ型
フランチャイズは、元々あるサロンと契約を結び、同一のサービスを提供するスタイルです。
個人店に比べると、ブランドイメージで信用を得られるのがメリットです。
6. シェアサロン型
施術予約が入った時だけシェアサロンを利用して、営業するスタイルです。
副業としてスタートすることもできますし、独立して店舗を持つ前のトライアルとして、活用することができます。
シェアサロンを予約してから、直前の場合キャンセル料がかかってしまうことデメリットになりますが、お客様とのコミュニケーションに工夫すればキャンセル防止になりますよ。
リラクゼーションサロンの開業資金はどれくらい必要?
リラクゼーションサロンを開業するには、様々な費用がかかります。20坪ほどの店舗と仮定した金額を、大まかな項目に分けて紹介します。
物件取得費用
物件取得費とは、具体的には保証金、礼金、仲介手数料など物件を借りる際にかかる費用のことを指します。
物件取得費は約200万程度といわれています。自宅型や出張型はこのような費用が一切かからず、開業可能です。
内装工事費用
新規で物件を借りる場合は、壁や床の貼り替え、電気や水道の契約費もかかるため、比較的高くなる傾向にあります。
250万程度とされていますが、内装にこだわればこだわるほど高額になります。できるだけ内装工事費用を抑えたい方は、居抜き物件を活用するのがおすすめです。
機材・設備・備品費用
施術ベッドやアロマ、タオルなど必要な備品は、25万程度かかるでしょう。
また、消耗品は無くなるたびに購入しないといけないので、集客が見込めるならば多めにストックしておくのがおすすめです。
プロ用の卸メーカーなどを利用すれば、お得に購入可能ですよ。
広告宣伝費用
広告宣伝費用は、Web広告やホームページ開設など様々なところで費用が発生します。しっかり集客できるようなサイトを利用しましょう。
リラクゼーションサロンの運営資金はどれくらい必要?
運営資金の主な費用として、人件費や賃貸料、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費などが挙げられます。
リラクゼーションサロンの運営に必要な人件費の目安は、1ヵ月あたり売上の40〜55%です。自身ひとりで営業する場合は、人件費を抑えられます。
店舗型やフランチャイズ型などであればそれぞれの賃貸料がかかります。また、水道光熱費は1ヶ月あたり売上の2〜3%が目安です。
またチラシやポータルサイトへの掲載料などは、1ヶ月あたり売上の8%くらいかかると考えておきましょう。
その他フランチャイズ型の場合は、ロイヤリティや予約管理システム利用料など、本部への支払いが発生します。
リラクゼーションサロンの集客方法
リラクゼーションサロンの集客方法をいくつか紹介します。様々な方法があるので、サービス内容やターゲットの年齢層に合わせて利用しましょう。
SNS
近年ではSNSが発達しており、サロンや美容院などをSNSでリサーチする人も増えています。TwitterやInstagramは無料で利用でき、良いと思われたものはシェアされるので積極的に活用しましょう。
ホームページ
サロンのホームページを、Wordpressなどで開設しましょう。サロンの詳細やコンセプトがすぐに分かるようにしておくと、お客様にサロンの魅力が伝わりやすいですよ。
自分でブログ運営するのが難しい場合は、クラウドワークスなどで外部委託するのもおすすめです。
ブログ
サロンの様子やおすすめメニューなどをブログに掲載するのもおすすめです。写真付きで投稿すると、詳細が分かりやすいので検討してみてください。
広告
SNSとは違い、幅広い人の目に入るのがメリットです。
費用がかかる場合が多いですが、SNSやホームページだけでは集客が不安という方は積極的に活用しましょう。
チラシ
住宅街の近くで開業する場合は、チラシも有効です。写真やメニューなど詳細をしっかり記載することで、信用度がアップし来店に繋がりやすいですよ。
Googleマイビジネス
マップや検索などの Googleサービスにサロンの情報を掲載できます。多くの方がGoogleを検索エンジンとして利用しているので、人目に付きやすいのがポイントです。
Googleでのオーナー確認を済ませていると、お客様からの信頼度が倍増する傾向があります。
美容・エステ専門のポータルサイト
ポータルサイトは、サロンの詳細や予約ページなどが備わっているサイトのことを指します。多くのリラクゼーションサロンが登録しており、サロン探しに利用しているお客様も多いのでしっかりと集客が見込めます。
自分に合ったスタイルでリラクゼーションサロンを開業しよう
リラクゼーションサロンには、店舗型から出張型まで様々なスタイルがあります。
本業から副業まで自分に合わせた方法で開業可能なので、多くの方が挑戦しやすいのがポイントです。
慎重に計画を立てて理想のサロンを開業しましょう!
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