ネイルサロン向けの賠償保険とは?補償内容とおすすめ保険7選

ネイルサロンを経営する際に考えておきたいのが、ネイルサロン向けの賠償保険です。本記事では、ネイルサロンの独立を視野に入れている人に向けて、ネイルサロン向けの賠償保険を紹介します。

この記事でわかること

  • 賠償責任が発生するケース
  • 損害賠償の種類
  • ネイリストにおすすめのサロン保険

 

ネイルサロンの経営で賠償責任が発生する6つのケース

ネイルサロンの経営を始めると、しっかり対策していても予期せぬトラブルが発生することがあります。

ネイルサロンでトラブルが起こったときに、賠償責任が発生するケースを6つ紹介します。

  1. 施術ミスがおきる
  2. サロン内の事故
  3. サロンで販売している商品でのトラブル
  4. お客様の荷物の紛失や破損」
  5. サロンが天災被害に遭った
  6. 泥棒が入って現金や備品が盗まれる

ネイルサロン時の施術ミスがおきる

ネイルサロンで起こる可能性が極めて高いのが、施術ミスによるトラブルです。

「ネイルケアの際にお客様の指を傷つけた」「ジェルネイルを効果するときに火傷させてしまった」などの施術ミスは、どんなに気をつけても起きることがあります。

施術ミスによってお客様に怪我をさせてしまうと、高額な慰謝料や治療費の支払いが必要になる場合があるので覚えておきましょう。

ネイルサロン内の事故

「お客さんがサロン内で転倒して怪我をした」「棚の商品が落ちてきてお客様の顔に傷ができた」などのサロン内の事故でも、治療費や通院の費用を支払う場合があります。

サロン内で起こった事故により、お店の備品が壊れてしまうこともあります。

サロン内で起こる事故は注意を払っておかないと未然に防ぐのは難しいため、予めリスク想定をしておくことが重要です。

ネイルサロンで販売している商品でのトラブル

サロンで販売している商品を使用して、お客様の肌や体調にトラブルが生じた場合も通院費や治療費は必要になることがあります。

「ネイルオイルを使ったら指が炎症を起こした」「商品の入っている箱を開けたときに箱で手を切ってしまった」などのケースがあげられます。

お客様の荷物の紛失や破損

お客様の来店時にお預かりした荷物の紛失や破損にも注意が必要です。「お客様のカバンに傷をつけた」「お預かりした上着にジェルが付着した」などのトラブルが起こる可能性があります。

お預かりした所持品が高額な場合もあるため、破損したり紛失したりしてしまうとクリーニング費用や代償が高額になることも考えられます。

ネイルサロン店舗が天災被害に遭った

どんなビジネスをしていても、起こる可能性がある天災被害。サロン内で火事がおきたり、隣からもらい火をする、水害被害や地震被害に見舞われて店のものが壊れるなどのリスクに備えておく必要があります。

泥棒が入って現金や備品が盗まれる

ネイルサロンは働いている人もお客様も女性も場合が多いので、泥棒に狙われやすいというリスクがあります。

お店に泥棒が入って、売上やお店の設備を盗まれる被害は少なくありません。ネイルサロンは泥棒が入る危険が高い職業だということを覚えておきましょう。

ネイリストが知っておきたい損害賠償保険と補償の種類

いざという時にネイルサロンでトラブルに対応できるよう、損害賠償の種類を知っておきましょう。ネイリストが知っておきたい損害賠償保険は主に次の5つです。

  1. 施術賠償責任補償
  2. 店舗管理事故補償
  3. 生産物賠償(PL)補償
  4. 受託者賠償責任補償
  5. 事業活動総合補償

賠償責任補償:ネイルサロンの施術による火傷や肌トラブルに対応

ネイルサロンを経営する上で、一番重要な補償が施術賠償責任補償です。施術中にお客様に怪我をさせてしまった場合に、損害賠償が生じると適用される補償です。

施術による火傷や肌トラブルなどは、ネイリストなら誰しもが起こりうるトラブルです。施術賠償責任補償はとても大切な補償で、利用する確率も高いことを覚えておきましょう。

店舗管理事故補償:ネイルサロン内での事故に対応

店舗管理事故補償とは、サロン内での事故を補償するものです。床が濡れていてお客様が転倒してしまった場合など、店舗施設の欠陥や管理不備でお客様が怪我をしたときなどに適用されます。

転倒したときに骨折してしまうと治療費も高額になる可能性があるため、店舗管理事故補償はぜひ備えておきたい補償です。

生産物賠償(PL)補償:ネイルサロンで販売した商品のトラブルに対応

生産物賠償(PL)補償とは、ネイルサロンで販売した商品によってトラブルが発生したときの補償です。施術賠償責任補償は商品を販売した後は補償の対象外になるので、商品を販売する場合は、生産物賠償(PL)補償で備える必要があります。

ネイルサロンで販売したキューティクルオイルやハンドクリームによって、肌が荒れてしまったときに補償を受けることが可能です。

受託者賠償責任補償:ネイルサロンで預かった荷物トラブルに対応

受託者賠償責任補償は、お客様から預かった荷物や洋服を汚してしまったり、紛失してしまったときなどの損害賠償を補償します。

お客様からお預かりした荷物に万が一のことがあった場合、損害賠償が高額になるケースもあります。サロンの信頼を損なうことも十分考えられるので、きちんとした対策が必要です。

事業活動総合補償:ネイルサロンの火災や災害に対応

事業活動総合補償は、ネイルサロンが火災や災害で被災したり、盗難にあったりして休業が必要になった場合に補償を受けられる保険です。火災や盗難の被害額は高額になる場合が多くあります。

被害によって長期休業をしなければならないときは、休業補償が出ることも事業活動総合補償の嬉しいポイントです。

ネイルサロンを経営するならチェックしたいサロン保険7選

ここからは、サロンを運営する際にチェックしておきたいサロン保険を7つ紹介します。それぞれの保険の特徴をまとめたので、自分のサロンにピッタリな保険を探してみてくださいね。

  1. 美容所賠償責任補償制度
  2. エステティックサロン総合賠償保険
  3. サロン様向け賠償責任保険
  4. みんなのサロンほけん
  5. USEN少額短期保険
  6. アクア少額短期保険
  7. エイ・ワン少額短期保険

1.美容所賠償責任補償制度:「掛け金は安いほうが良い!」という人におすすめ

美容所賠償責任補償制度は、全日本美容業生活衛生同業組合連合会の共済制度です。美容室用の保険ですが、美容師免許が必要なまつ毛エクステサロンも補償されます。

美容所賠償責任補償制度の特徴は、1店舗あたり年間1,600円という安い掛け金です。補償内容は施術中の怪我の補償、サロン内で転んだ場合やサロンにあるもので怪我をした場合の補償、預かった荷物の補償がメインとなります。

補償額は上限が決まっている補償ですが、掛け金を安く済ませたい人にはおすすめの保険です。

引用:bibaiseki.pdf (biyo.or.jp)

2.エステティックサロン総合賠償保険:エステサロンで起こる様々なトラブルに対応

エステティックサロン総合賠償保険は、エステサロン向けの賠償責任保険です。団体や協会に加入しているサロンが入れる保険で、エステサロンで起こる様々なトラブルに対応しています。

脱毛施術の光脱毛、ニードル脱毛、ワックス脱毛が補償の対象になります。お客様から預かった荷物や洋服を汚してしまったときや、販売した商品でお客様の肌にトラブルが生じた場合も対象となる保険です。

エステサロンのリスクに備えるのにおすすめの保険といえますよ。

引用:エステティックサロン総合賠償保険 | 株式会社 エヌシーアイ (n-c-i.co.jp)

3.サロン様向け賠償責任保険:HOT PEPPER Beauty掲載店舗が活用できる保険

サロン様向け賠償責任保険はHOT PEPPER Beautyでおなじみのリクルートが提供する保険です。HOT PEPPER Beautyにサロンを掲載していることが、加入条件となっています。

サロン様向け賠償責任保険には3つのプランがあります。スタンダードプランでは、施術中に起きたトラブルやサロン内で起きた事故、お客様からお預かりした荷物に対する保証にプラスして、弁護士相談費用の保証があるのが特徴です。

HOT PEPPER Beautyに掲載する予定のあるネイルサロンにおすすめの保険です。

引用:サロンさま向け 賠償責任保険のお申込み【保険チャンネル】 for Business (hokench.com)

4.みんなのサロンほけん:これひとつの保険で様々なトラブルに対応

みんなのサロンほけんは、ビューティガレージが提案する賠償責任補償です。美容室をはじめ、エステやまつげエクステ、ネイルサロンなど様々な業務内容を補償します。ビューティガレージの会員になることが加入条件となっています。

施術中の事故、サロン内での事故、サロンで販売した商品によるトラブル、お客様の荷物を預かったときに起きたトラブルなどの基本的な補償が詰め込まれているのが特徴です。

ご希望により追加で休業中の補償や地震補償もつけられるので、1つの保険で済ませたい人におすすめですよ。

引用:サロン保険ネット【みんなのサロンほけん】- 理美容/エステ/まつエク/ネイルサロンの総合保険サイト (salonhoken.net)

5.USEN少額短期保険:設備や什器の補償がメイン

USEN少額短期保険の「お店のあんしん保険」は、事業を営む様々なお店のリスクに備える保険です。お店の設備・什器の補償がメインで、評価額から保険金額プランを選べます。賃貸の店舗の場合、家主への補償とお客様への補償も補償内容です。

休業補償や業務中のリスクに備える補償もオプションでつけられます。店舗を賃貸契約している人におすすめの保険ですよ。

引用:お店のあんしん保険 | USEN少額短期保険株式会社 (usen-ssi.co.jp)

6.アクア少額短期保険:賃貸でビジネスをする人におすすめ

アクア少額短期保険の「ビジネスパートナー(テナント保険)」は、お店の設備・什器の補償・物件の修理費用補償・賠償責任補償をセットにした保険です。賃貸でビジネスをしている人におすすめです。

賃貸を借りている人に向けた火災保険なので、レンタル品やリース品は補償されないことを覚えておきましょう。

引用:賃貸の火災保険、家財保険はアクア少額短期保険株式会社 (aqua-ins.com)

7.エイ・ワン少額短期保険:ネイルサロンが賃貸オフィスの場合の保険

エイ・ワン少額短期保険の「エイ・ワン テナント保険」は賃貸に住んでいる方、店舗を運営している方をサポートする保険です。設備・什器の補償や、借家人賠償責任保障、施設賠償責任保障を補償します。

エイ・ワン テナント保険は賃貸オフィス専用の保険なので、住居部分は補償対象外です。住居兼サロンを営んでいる人は注意が必要です。

引用:保険商品のご案内(賃貸向け火災保険)|エイ・ワン少額短期保険 (a1-ssi.com)

ネイリストが知っておきたいネイルサロン保険のよくある疑問

ネイルサロンの保険に関するよくある疑問をまとめました。保険を検討するときの参考にしてみてくださいね。

これから開業をするため売上実績がなくても加入できる?

これから開業する売上実績がない人でも加入できます。開業時に作成する事業計画書での想定売上高を試算してください。

例えば月に100万円の売上予定の場合、1,200万円の年間売上予定を申告して保険に加入することが可能です。

個人でも保険に入れる?

保険によりますが、個人でも保険に入ることが可能です。紹介した保険だと「みんなのサロンほけん」や「サロン様向け賠償責任保険」に加入できますよ。

加入条件が保険によって異なるため、きちんと確認しておくことをおすすめします。

店舗を構えず出張のみのサロンでも加入できる?

保険によりますが、店舗を構えない出張サロンでも加入できる保険もあります。紹介した保険だと「みんなのサロンほけん」が、加入できますよ。

保険によっては実店舗を持たない場合は保険に加入できない場合もあるので、加入条件を保険会社に問い合わせてみてくださいね。

サロンの賠償保険への加入は必須?

サロンの賠償保険への加入は必須ではありません。しかし、施術中のトラブルやサロン内での事故は、どんなに気を付けていても起きてしまう可能性があります。

トラブルが起きた場合、被害額が大きくなりやすいため、最悪の場合サロンを廃業することになりかねません。万が一のトラブルに備えて、加入しておくのがおすすめです。

出典:もしものトラブルに備える!ビューティガレージ「サロン保険net」|Beauté(ボーテ) (beaute-p.com)

まとめ:自分のサロンにあった賠償保険への加入を

ネイルサロン向けの賠償保険について解説しました。ネイルサロンを経営すると、施術ミスやサロン内での事故、お客様からお預かりした荷物のトラブルなど様々なトラブルに見舞われる可能性があります。

営業中に起こるトラブルのリスクに備えるのが、損害賠償保険です。サロンの賠償保険の加入は自由ですが、万が一のトラブルに備えて加入しておくことをおすすめします。

念願のネイルサロンを安心して営業するためにも、自分のサロンにあった賠償保険への加入を検討してみてくださいね。

シェアサロンminoribaを利用すると、15分単位でおしゃれなサロン空間を利用することができます。

独立開業する際には是非 初期費用を抑えてスタートできるシェアサロンを利用してみてくださいね。

この記事を書いた人:斎藤あや|ネイリスト

ネイリスト歴6年。セルフネイラーから独学でネイリスト検定3~1級までを取得。都内の大手サロンから個人サロンまで3社を経験し、現在は美容分野中心のWebライターとして活動中。1児の母。

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