本記事ではフリーランスセラピストの働き方やメリット、デメリットについて紹介します。正社員とフリーランスの違いなど詳しく紹介するので、フリーランスを検討している方はぜひご覧ください。
セラピストの働き方4つのスタイル
セラピストは、専門知識や技術を持ち、心と身体を癒やす人のことを指します。
心と体を癒す方法には、心に向き合う心理療法と、整体やマッサージなど物理的にアプローチする方法があります。
無資格で提供できる施術もありますが、民間資格や国家資格を所持して施術を提供しているセラピストがほとんどです。
ここからは4つの代表的なセラピストについて紹介します。
リラクゼーションセラピスト
リラクゼーションセラピストは、アロマやマッサージ、足つぼによる技術で、心や身体に癒やしを提供するセラピストです。
リラクゼーションセラピストは、国家資格ではないため、資格が欲しい場合は民間資格を取得することになります。民間資格には以下のような資格があります。
- リラクゼーションセラピスト2級・・・一般社団法人 日本リラクゼーション業協会が実施している資格です。協会会員であり、協会会員会社で100時間以上の研修を修了しているか、実務経験が3ヶ月以上ある人に受験資格が与えられます。
- リラクゼーションセラピスト1級・・・一般社団法人 日本リラクゼーション業協会が実施している資格です。リラクゼーションセラピスト2級を所持しており、協会会員会社で1年以上の実務経験がある人に受験資格が与えられます。
医療系セラピスト
医療系セラピストは、病気や障がいなどで身体的な機能が弱っている方に、機能訓練やリハビリを行います。
医療系セラピストには以下のような専門職や資格があります。
- あん摩マッサージ指圧師・・・あん摩マッサージ指圧師は、筋肉や神経などの問題を指圧技術によって解消させる専門職です。受験資格を取得するためには、文部科学大臣または厚生労働大臣の指定する学校・養成施設で3年以上勉強する必要があります。
- 鍼灸師・・・鍼灸師とは、鍼(はり)と灸(きゅう)を使用し、免疫力を高めたり、自律神経を整えたりする効果があります。鍼灸師の国家資格は、鍼灸師養成学校を卒業することで取得することができます。
メンタル系セラピスト
メンタル系セラピストは、精神面へアプローチし、精神的な負担を軽減させます。 メンタル系セラピストには以下のような専門職や資格があります。
- 臨床心理士・・・心理学の知識を有し、診療心理査定やカウンセリングを行います。臨床心理士になるためには、臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院を修了する必要があります。
- 産業カウンセラー・・・産業カウンセラーは、企業で働く人の心理的な悩みのサポートを行います。資格を取得するためには、養成講座を修了する必要があります。ほかにも大学院で専門科目を専攻し、受験資格を取得するといった方法もあります。
ボディ・美容系セラピスト
ボディ・美容系セラピストは、マッサージやエステなど、身体に触れて施術を行います。ボディ・美容系セラピストには以下のような専門職や資格があります。
- エステティシャン・・・フェイシャルやボディなど美を追求する方への施術を行います。国家資格はなく、資格を取得したい方は日本エステティック協会などの民間資格の取得がおすすめです。
フリーランスのセラピストとして働くまでの流れ
「フリーランスのセラピストとして働きたい!」と独立する際に悩むのが「何から準備をするべきか?」という点ですよね。
ここからは、フリーランスとしての働くまでの流れを紹介します。
現在、正社員やアルバイトとして働いている方は、会社がやってくれている事務作業なども自分で行うことになります。事前に働くまでの流れや必要事項を理解し、独立までの計画を立てましょう。
1.資格を取得する
まずは、扱いたい施術の資格を取得しましょう。リラクゼーションやエステなどは資格がなくても施術を行えますが、知識や技術向上、信頼度アップのためにも出来れば資格を取得しておきましょう。
専門学校に通わず、短期間で取得できるものも多いのでチェックしてみてくださいね。
2.技術を学んでスキルアップをする
講習会やスクールに通い技術を学びスキルアップしましょう。
セラピスト向けスクールには、3ヶ月や半年でカリキュラムを組んでいるスクールが多く、働きながらも技術を学べます。
今の仕事を辞めずに、セラピストとしての勉強ができるのは嬉しいですよね。
3.リピーター顧客を獲得する
現在、サロンに勤めている方は、独立後もお客様になってくれるようなリピーター顧客を獲得しましょう。
適切な技術や知識を持ち、1人ひとりに合った接客を行っていれば満足度も高く、独立後も付いてきてくれる可能性が高いです。
家族や友人に、セラピストとして独立することを伝え、お客様になってもらうのもおすすめですよ。
4.独立準備を行う
資格取得や技術が整ったら、独立準備を行いましょう。取り組まなければならないことが多いため、余裕を持って計画的に行いましょう。
開業場所・働き先の確保
サロンを開業する場所や、フリーランスとして業務委託契約を結ぶ会社を見つけましょう。
1人で開業する場合は、信頼できる不動産を見つけて物件を探すのがおすすめです。サロンと業務委託契約を結んで働く際は、求人サイトなどを利用してサロンを見つけましょう。
設備・備品の購入
施術ベッドや椅子、その他備品などを購入しましょう。家具や備品などは、店頭とオンラインストアを上手く利用して購入するのがおすすめです。
開業届の提出
開業届は事業を開始した1ヶ月以内に提出する必要がある書類です。
特に準備は必要なく、税務署に行き書類を記載するだけで提出できます。「Freee開業」というサービスを使用すれば、自宅にいながら提出可能です。
参照元:reee開業 https://www.freee.co.jp/lp/kaigyou/06/
青色申告承認申請書の提出
青色申告とは、日々の資金繰りを帳簿に記録し、確定申告することで税金の面で有利な特典を受けられる制度です。
白色申告に比べると、必要書類が多かったり、帳簿の付け方が複雑だったりしますが、その分最大65万円の控除を受けられます。ほかにも様々な節税メリットがあるので、開業届と一緒に提出するのがおすすめです。
フリーランスセラピストとして働く3つメリット
フリーランスセラピストは、サロンと対等な関係で働ける上に、スキル次第では高収入を見込めるなど、メリットが多くあります。
ここからは、フリーランスセラピストとして働く3つのメリットを紹介します。
メリット①努力次第でお給料アップが見込める
業務委託として契約すると、歩合制にプラスし指名手当や資格手当などが付くことが多く、高収入が期待できます。
施術をしたり、指名されたりした分だけ自分の収入に反映されるので、正社員よりも収入が高くなる傾向にあります。
メリット②自由度の高い働き方ができる
サロンと業務委託契約を結ぶ際は、事前に打ち合わせは必須ですが、正社員よりも自由な働き方ができます。
1人でサロンを開業する場合は、自分の都合で営業時間を決められるので、自分のライフスタイルに合った働き方が可能です。子供がいる方でも、昼だけや平日だけなど自由に働けるのは嬉しいですよね。
メリット③支出を経費に計上できる
業務委託契約は、個人事業主になるため、仕事に関係する書籍や資格取得費は経費として計上できます。
領収書が必要であったり、帳簿をつけたりなど税金関係について勉強しておくと、フリーランスになった際スムーズですよ。
フリーランスセラピストとして働く3つのデメリット
フリーランスセラピストは、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
メリットだけでフリーランスになってしまうと、ミスマッチが起こる可能性もあるので、デメリットも把握しておきましょう。
ここからは、デメリットを3つ紹介します。
デメリット①本業以外の仕事が増える
フリーランスになると、帳簿付けや確定申告などの事務作業も自分でやらなくてはなりません。
正社員であれば、本業に集中できますが、フリーランスだと様々なことを自分でやらなくてはならない部分はデメリットといえます。
デメリット②収入が安定しない
フリーランスは、歩合制なため、客の入りによって収入が異なります。基本給がないため、毎月同じ金額を稼げる訳ではないので収入が不安定になってしまいます。
収入に波があるため、貯金をしておく、収入先を分散するなどしてリスク対策をするのがおすすめです。
デメリット③社会的信用度が低い
フリーランスは、企業に勤めている人よりも社会的信用度が低いといったデメリットがあります。
理由としては、不景気の影響を受けたり、収入の波が合ったりすることで、毎月の収入が安定しないとみなされているためです。
住宅ローンやクレジットカードにも影響することを理解しておきましょう。
セラピストの雇用形態の種類
セラピストは、サロンなどで働く正社員や派遣社員のほかにも、歩合制で働くフリーランス(業務委託)も多いのが特徴です。
ここからは、セラピストの雇用形態を4つに分けて紹介します。
[フリーランス(業務委託)]セラピストとして働く
フリーランスには様々な働き方があり、サロンと業務委託契約を交わすこともあれば、シェアサロンを利用して施術を行うなど様々です。
サロンで業務委託として働く場合は、歩合制が多く、指名料や資格手当などが付いており、人気を集めれば高収入を見込めます。
施術者だけでなく、講演会の講師やイベントに出演するなど柔軟な働き方も可能です。自分の都合に合わせて働けたり、頑張った分だけ稼げる部分もポイントです。
[正社員]セラピストとして働く
正社員のセラピストは、会社に所属して社員として働きます。
施術だけでなく、商材の販売促進やスタッフの教育、発注など幅広い業務も担当する必要があります。
大きいサロンであれば、売上や実力が付くと、チーフや店長などステップアップも可能です。
フリーランスと比べ、指名料や資格手当等のインセンティブが付かず、基本給のみの場合が多い傾向にあります。多くの方が、年収300万〜400万スタートになります。
[アルバイト・パート]セラピストとして働く
サロンによっては、アルバイトやパートの求人を出しているところもあります。
正社員のようなマネジメントや企画をする必要はないことがほとんどで、技術担当のみを行うことがほとんどです。
即戦力として必要としているサロンが多いため、経験者のみを採用しているサロンもあります。
[派遣社員]セラピストとして働く
セラピストの中では1番マイナーな働き方です。
実績や経験のあるセラピストは、単発でイベントや講師として施設へ派遣されることがあります。様々な現場で働けるため、色々な経験をしたいという方にはおすすめの働き方です。
まとめ
フリーランスセラピストの雇用形態やメリット、デメリットについて紹介しました。
セラピストの中にはサロンと契約して働くフリーランスもいれば、1人でサロンを開業するフリーランスもいます。
フリーランスセラピストは、自分のライフスタイルに合わせて働けるのが魅力ですが、収入の波が合ったりなどデメリットがあることを理解しておきましょう。
フリーランスセラピストになって、高収入や理想のライフスタイルを手に入れましょう!
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