ネイルサロン経営を目指している方に向けて、経営に必要なものと開業までのポイントを解説します。
この記事を読んでわかること
- ネイルサロンの開業スタイル
- ネイルサロンの開業資金
- ネイルサロン経営を成功させるポイント
ネイルサロン経営者の年収はいくら?
ネイルサロンを経営する立場になると、サロンの売上によって自分の収入が変化します。社員として働くネイリストの平均年収は約340万円です。しかし、経営者になると年収1,000万円も夢ではありません。
店舗の規模やお客様の数によっても収入が大きく変わるため、リスクがある反面やりがいがあるのがネイルサロン経営です。
引用:ネイリストの仕事の平均年収は337万円/平均時給は985円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス (xn--pckua2a7gp15o89zb.com)
ネイルサロンの経営をするには?
ネイルサロンの経営に必要な資格はあるのでしょうか?ネイルサロンを経営するのに、必ず取得しなければならない資格はありません。しかし経営するとき、メリットが大きい資格があるので紹介していきますね。
資格取得は必要ではない
先程もお伝えしましたが、ネイルサロンを開業・経営するために必要な資格はありません。年齢、性別、資格などの縛りがなく自由に企業できるのがネイルサロンを経営するメリットです。
しかし、何も資格を持たないままネイルサロンをオープンするのは集客するときに苦労する可能性が高いので、注意が必要です。
資格の取得で技術の高さを可視化できる
ネイルサロンを経営する時に資格を取得していると、技術の高さをお客様にわかりやすく伝えることができます。
ネイルサロンは資格がなくても開業できるので、参入障壁が低くライバルが多い分野です。資格を持っているだけで、他のサロンと差別化できる可能性があるので、取得するに越したことはありません。
ネイルサロンを開業する際には、以下の資格取得を検討してみてくださいね。
- ネイリスト技能検定試験
- JNAジェルネイル技能検定試験
- JNA認定ネイルサロン衛生管理士
ネイリスト技能検定試験
ネイリスト技能検定試験は公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が実施している検定です。1997年にスタートし、ネイル業界の中で歴史のある検定のため知名度抜群の資格です。
3級は誰でも受験できますが、1,2級の受験はそれぞれ下の級に合格する必要があります。ネイリストの正しい知識と技術の向上が目的の検定なので、普段のサロンワークに活かせる資格ですよ。
JNAジェルネイル技能検定試験
JNAジェルネイル技能検定試験は日本ネイリスト協会(JNA)が実施している検定です。ジェルネイルに特化した資格で、お客様が安全なネイルケアとジェルネイル施術を受けられるための検定です。
JNAジェルネイル技能検定試験には初級・中級・上級の3段階の試験があります。ネイルサロンでは、ジェルネイルの割合がとても多いので、取得しておくと安心な資格です。
JNA認定ネイルサロン衛生管理士
JNA認定ネイルサロン衛生管理士は日本ネイリスト協会(JNA)の認定資格です。お客様に安心で安全なネイルサービスを提供することを目的としています。
JNA認定ネイルサロン衛生管理士の資格を持つと、ネイルサロンの衛生管理に関する知識を習得していることになります。資格を持っていると、JNA認定サロンとなるためお客様の信頼度も上がる可能性がありますよ。
ネイルサロン経営の開業スタイルは大きく3つ
ネイルサロン経営では、自分に合った開業スタイルを選ぶことが重要です。ネイルサロンの開業スタイルは主に3つに分けられます。それぞれの特徴を理解して、自分にピッタリの開業スタイルを選んでみてくださいね。
ネイルサロンの主な開業スタイル
- 店舗型ネイルサロン
- 自宅型ネイルサロン
- 出張型ネイルサロン
店舗型ネイルサロン
店舗型ネイルサロンはテナント、フランチャイズ、マンションを利用して店舗を構えます。
テナント開業は商業施設やビルなどの一角を借りて開業します。テナント開業はお店の内装・外装を自分の理想に近いものにできるのがメリットです。また商業施設を利用するお客様をターゲットにできるため、集客しやすいのもポイントです。しかし、家賃や初期費用が高くつく場合が多いことを知っておきましょう。
フランチャイズは親会社の傘下に入って経営する方法です。親会社は大企業のことが多いため経営のノウハウを習得しやすいメリットがあります。しかし自由度が低かったり、ロイヤリティを払う必要があったりするのがデメリットと言えます。
マンションを利用する開業は、自由度が高く内装や経営の仕方を思い通りにできるのが嬉しいポイントです。しかし、マンションは密室で安全性に不安があること、住宅街だと集客の難易度が上がることを覚えておきましょう。
自宅型ネイルサロン
自宅の一室をネイルサロンにして経営する方法です。ネイルサロンは狭いスペースで営業できるため、1人で営業するなら自宅の空き部屋を利用して開業できますよ。
自宅型ネイルサロンのメリットは、初期費用が安く済むことや、子育てや介護をしている傍らでも自分の生活スタイルに合わせて営業できることです。しかし自宅サロンでの開業は集客しづらかったり、プライバシーの問題の心配があったりする営業スタイルだということを知っておきましょう。
出張型ネイルサロン
出張型ネイルサロンはお客様のもとに自ら出向く営業スタイルです。具体的には個人宅訪問・シェアサロン・間借り・イベントブースを利用して営業します。
出張型ネイルサロンは個人で店舗を構えるよりも、大幅に開業費用や初期費用を抑えられるメリットがあります。営業時間も縛りがないので、自分の都合に合わせて働けるのも嬉しいポイントです。営業先に出向くのに時間と交通費がかかることがデメリットといえます。
出張型は開業のリスクが低いため、ネイルサロン経営の初心者におすすめの開業スタイルです。
ネイルサロンの開業形態別!開業資金の内訳
ここからはネイルサロンの開業形態別に、開業資金の内訳を細かく解説していきます。理想のサロンを作るためには、どのくらいの資金が必要なのか目安にしてみてくださいね。
店舗型ネイルサロンを開業する際の資金内訳
店舗型のネイルサロンを開業するには、300万円〜1,000万円の開業資金が必要です。開業スタイルや立地によっても大きく振り幅があります。マンション開業を例に見てみましょう。
店舗型ネイルサロンの開業資金例
- 賃貸契約 約60~100万円
- 内装工事費 約100万円
- 設備・備品 約50万円
- 宣伝広告費 約20万円
マンションで開業する場合は、外装費がない分コストが少なく済みます。テナント開業の場合は、マンションよりも外装費・内装費が多くかかります。物件の保証金が家賃の6~12ヵ月分必要になることも覚えておきましょう。
自宅型ネイルサロンを開業する際の資金内訳
自宅の1室を使ってネイルサロンを開業する場合は、100万円以内でも開業することが可能です。特にこだわりが無ければかなり低コストで開業できますよ。
自宅型ネイルサロンの開業資金例
- 備品・設備 約10~30万円
- 宣伝広告費 約10万円
- 内装DTY 約20万円
出張型ネイルサロンを開業する際の資金内訳
出張型ネイルサロンは店舗を構える必要がないため、初期費はほとんどかかりません。普段営業で使用する、ネイル用品を揃えるだけで営業できます。費用は使用するものによりますが、約10万円〜30万円程度です。
間借りやイベントブースで出店する場合、シェアサロンなどを利用する場合は、その都度使用料を払う必要がありますが、まとまった初期費用がかからないので開業のリスクがとても低く済みますよ。
ネイルサロンの経営に必要な初期費用の目安
ネイルサロンを営業するには、初期費用が必要になります。ここからはネイルサロン開業時にかかる初期費用の詳細を解説していきます。
ネイルサロン開業に必要な初期費用は次の5つです。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 設備費
- 広告宣伝費
- 加盟金・保証金
物件取得費
物件取得費は立地や物件の広さ、種類によって違いがあります。一般的にマンションの場合は、家賃の6ヵ月分が必要です。家賃10万円の物件だと、約60万円の費用が必要です。
テナントの場合は敷金・礼金や保証金などをあわせると家賃約12ヵ月分の費用が必要です。家賃10万円の物件は約120万円を目安にしておきましょう。
物件取得費はネイルサロン開業の初期費用の中で大部分を占めるため、きちんと確保しておきましょう。
内装工事費
内装にこだわりたいなら、内装工事費に坪単価20万円〜25万円が必要となります。ネイルサロンが10坪程度なら、200万円〜250万円の初期費用を目安にしましょう。
居抜き物件を選べば内装費用はかなり安く済むため、内装費用を削りたい人にはおすすめです。
設備費
ネイルサロンで必要な機材や設備、備品を揃えるには、約15万円〜60万円の費用が必要です。サロンの規模や購入する商品によって大きく差が出ます。設備費はあらかじめ予算を決めて、その範囲内で気に入ったものを選ぶのがおすすめです。
広告宣伝費
広告宣伝費は、サロンを認知してもらうためには必要な費用です。ホットペッパービューティーに搭載する場合は、最低でも1ヵ月2万5000円の費用がかかります。
お店のホームページを作るのであれば、最低限ドメイン費用とサーバー費用で年間数万かかり、ホームページの作成依頼をする場合にそれ以上の金額がかかります。ホームページを自分で作成したり、SNSを利用したりして宣伝すれば、費用を抑えつつ、お店のPRをすることができますよ。
加盟金・保証金
フランチャイズで店舗を構える場合は、親会社に加盟金・保証金を払う必要があります。加盟金とは、ノウハウや本部から受けるサポートの対価として払う費用です。ネイルサロンにおける加盟金の相場は20万円〜190万円と幅があります。
中には加盟金無料の場合もありますが、代わりにロイヤリティが高く設定されている場合もあるので、注意が必要です。
保証金はロイヤリティの支払いが滞った時に使われる費用です。60〜70万円が相場となっています。
ネイルサロン経営を成功させるポイント7選
ネイルサロン経営を成功に導くには、技術や接客だけでは足りません。ここからはネイルサロン経営に必要な7つのポイントを紹介していきます。
- 経営知識を身につける
- 競合のリサーチをする
- 宣伝広告に力を入れる
- 技術力だけでなくマネジメントも疎かにしない
- 固定客を獲得する
- コンセプトやニーズにあった集客を行う
- 運転資金を確保する
①経営知識を身につける
経営に関する知識が乏しいと、どんなに技術が優れていても会社が繁栄するのは難しいのです。サロンの売上を常に把握して、効率よく利益を出す工夫が大切です。お客様にネイルサロンを選んでもらうための付加価値づくりにも力を入れましょう。
②競合のリサーチをする
商圏エリアの競合他社のリサーチは徹底的に行いましょう。近くのネイルサロンを詳しく知ることで、自分のサロンを差別化するには何が必要か見出すことができます。ライバル店のターゲット層、価格帯、メニュー内容などをチェックして、自分のサロンの強みをアピールしていきましょう。
リサーチはインターネットでチェックしたり、実際にお店を利用してみたりするのがおすすめですよ。
③宣伝広告に力を入れる
既存のお客様がいる場合でも、お店の宣伝広告はとても重要です。何らかの理由で失客することを常に頭に入れて、見込み客の獲得を目指しましょう。
費用を抑えたいなら、SNSの活用がおすすめです。悩みに寄り添ったり、写真のクオリティーにこだわったりして、ターゲットが好む投稿を心がけましょう。
④技術力だけでなくマネジメントも疎かにしない
技術の向上は常に意識したいところですが、マネジメントも経営にはとても重要なポイントです。月々にどのくらいの費用が必要なのか、どのくらいの収入を見込めるのかなどのサロンのお金の流れをしっかりと把握しましょう。
どんぶり勘定の人や収支バランスをコントロールできない人は、経営が上手くいかない可能性が高いので注意が必要です。
⑤固定客を獲得する
固定客の獲得はネイルサロンの経営を安定させるために意識したいポイントです。固定客が一定数いることで、毎月の売上の目安がつきます。
固定客を獲得するには、お客様が必要としていることを察知して、提供するサービスに納得してもらう必要があります。サロンに長く通っていただくために、日々の技術・接客の向上に力を入れましょう。
⑥コンセプトやニーズにあった集客を行う
ネイルサロンのコンセプトを明確にして、ターゲット層を絞ります。その上で、ターゲットのお客様が求めていることを想像しましょう。コンセプトやお客様のニーズを把握すると、集客の仕方も変わってきますよ。
20代〜30代を集客したいならInstagramを活用する、年配の方を集客するならフェイスブックやポスティングをメインにする、といったようにニーズにあった集客を心がけましょう。
⑦運転資金を確保する
経営を続けるためには、毎月の運転資金を確保する必要があります。家賃、水道光熱費、通信費、宣伝費、消耗品の購入など、月々にかかる費用を把握しておくことが大切です。
できるだけ固定費を削減できるように、光熱費や通信費の料金プランも常に意識しておきましょう。
まとめ
ネイルサロン経営の開業スタイルや必要なものについて解説しました。
ネイルサロンを経営するには技術や接客だけでなく、経営する力がとても重要です。サロンを開業するには、まとまった資金が必要でリスクも伴います。揺るがないコンセプトと経営知識を身に付けてから、開業の準備を始めましょう。
この記事を書いた人:斎藤あや|ネイリスト ネイリスト歴6年。セルフネイラーから独学でネイリスト検定3~1級までを取得。都内の大手サロンから個人サロンまで3社を経験し、現在は美容分野中心のWebライターとして活動中。1児の母。
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