「コストを抑えてネイルサロンを開業したい」「独立したいけれど上手くいくか不安」
こんな方に向けて、ネイルサロンの開業に必要な知識や流れを説明した上で、リスクを抑えたシェアサロンを活用した開業方法についてご紹介します。
開業費用を軽減させる助成金制度についても紹介するので、開業を検討している方は参考にしてください。
経験なしや独学でもネイリストとして開業できる?
ネイルサロンを開業するにあたり、資格や許可が必要なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
まずはネイルサロンを開業するための条件について理解しておきましょう。
開業するために資格や許可は必須ではない
ネイルサロンを開業するためには、資格や許可は必要ありません。美容院のように保健所への届け出も必要ないため、すぐに開業できます。
知識や技術の証明として資格はおすすめ
知識や技術の証明としてネイル関連の資格を取得するのもおすすめです。
集客する際に資格を持っておくと、信頼度がアップするので「ネイリスト技能検定試験」や「JNAジェルネイル技能検定試験」の取得を検討しましょう。
ネイルサロン開業や経営におすすめの資格
ネイルサロン開業や経営には必ずしも資格が必要という訳ではありませんが、取得しておくと良い資格がいくつか存在します。
ここからは8つの資格について紹介していきます。
JNECネイリスト技能検定試験
JNECネイリスト技能検定試験は、1番知名度が高く、内閣総理大臣が認めた’’日本ネイリスト検定試験センター’’が認証している資格です。
ネイルケアやネイルアートの基礎知識から、リペアやアートの総合的な技能や知識が確かめられます。3級の合格率は84.2%ですが、1級は37,3%と合格率が下がるので、知識や技術をしっかりと習得できている方のみが取得できる資格です。
JNAジェルネイル技能検定試験
JNAジェルネイル技能検定試験は、ネイルの主流となっている’’ジェルネイル’’に特化した資格です。
ネイルケアとジェルネイルの必要知識や技術から、サロンワークに必要な知識など幅広い内容が出題されます。ジェルネイルのスペシャリストを目指したい方は、取得しておいて間違いない資格ですよ。
JNA認定ネイルサロン衛生管理士
JNA認定ネイルサロン衛生管理士は、ネイルサロンの衛生管理に関する知識が出題されます。
安心安全なネイルサービスの普及と公衆衛生の向上が目的とされています。
JNA認定ネイルサロン技術管理者
JNA認定ネイルサロン技術管理者は、安心安全に利用できる基準を維持・向上を図ることを目的とした資格です。
ネイルサロンのスタッフ技術管理についての考え方や、技術管理の実務を身につけることが可能です。JNAが実施する講習会を受講した方に資格が与えられます。
JNA認定講師資格試験
JNA認定講師資格試験とは、ネイルの先生になるために必要な資格です。
確かな技術と知識が必要になるため、非常に難易度の高い試験で、合格率は30%前後となっています。またネイリスト技能検定やジェルネイル技能検定など様々な資格を取得していないと受けられない資格になっています。
JNA国際ネイリスト技能検定試験
世界のネイリストの正しい技術と知識の向上や、国際的なネイル技能の平準化を目的とした資格です。
ネイルケアからネイルアートまで幅広い知識と技術が必要になります。
I-NAIL-Aジェルネイル技能検定試験
I-NAIL-Aジェルネイル技能検定試験は、ジェルネイルの正しい技術・知識の習得を目的とした試験です。
3級は学科試験と技能試験の両方ですが、2級と1級は技能試験のみになります。
I-NAIL-Aネイルスペシャリスト技能検定試験
I-NAIL-Aネイルスペシャリスト技能検定試験は、ネイルの正しい技術・知識の習得を目的とした試験です。
初心者を対象としたA級/SA級、プロフェッショナルを対象としたPA/AA/AAA級があります。AAA級を取得しておくと理美容学校教員やその他講師、試験官など仕事の幅が広がりますよ。
ネイルサロンの開業形態
ネイルサロンの開業形態を3つ紹介します。
自分の店舗を持つ
自分の店舗を持つメリットや魅力は、店舗は集客のしやすさや自由度の高さです。
しかし、開業資金や賃料が高額になってしまうというデメリットもあります。
自分の店舗を持ちながら、少しでもリスクを抑えたいという方には、使っていない時間だけシェアサロンとして貸し出すこともおすすめです。
シェアサロンサービスminoribaでは最低1時間~、15分単位で貸し出せるので、空き時間を有効活用できます。
シェアサロンの貸し出しについて気になる方は下記サイトをご覧ください。
自宅で行う
自宅でネイルサロンを行うのもおすすめです。自宅の一部を利用してネイルサロンを開業するスタイルです。
他のスタイルと大きく違う点は、賃料が掛からないことです。
必要備品のみで開業が可能なうえに、自分の生活スタイルに合わせて営業できるのが自宅型ネイルサロンのメリットです。
デメリットは、開業エリアを選べないため集客が難しい点や、常に自宅を綺麗に保たなければならない点です。
初期費用を最低限で済ませたい、自分の生活スタイルに合わせて営業したい主婦の方などにおすすめです。
レンタルサロンを活用する
レンタルサロンを活用すれば、お客様から予約が入った場合のみの営業ができます。
自宅型サロンと同様に、必要備品のみで開業したい方や、営業時間を自分の生活スタイルに合わせられるのがメリットです。
デメリットとしては、お客様が希望する日時にシェアサロンの予約が取れない場合や、キャンセル料金が掛かってしまうことも。
しかし、必要備品のみで開業できるため、ネイルサロンの営業形態の中ではハードルが低い形態です。
フランチャイズに加盟して開業する
大手ネイルサロンの名前を借りて開業するフランチャイズ加盟も1つの選択肢です。
フランチャイズ加盟は一からテナントを借りて開業するよりも、経営しやすかったり、集客しやすかったりなどメリットが多く挙げられます。
経営に必要なマニュアルやコツを教えてもらえるため、経営知識がない方でもはじめやすいのがポイントです。
しかしフランチャイズだからといって失敗するリスクがゼロではないことを覚えておきましょう。
ネイルサロンの開業資金はどれくらい?
ネイルサロンを開業するにあたってどのくらい費用がかかるか気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここからはネイルサロン開業に必要な資金について紹介します。
初期費用
まずは初期費用について紹介します。それぞれ開業する場所によって大きく費用が異なるため、自分の予算にあった範囲内の方法を選択しましょう。
自宅サロンやレンタルサロンなど開業方法によって費用が異なるため、それぞれ1つずつ紹介していきます。
自分の店舗を持つ場合
テナントを借りて自分の店舗を持つ場合の費用は、200万円程度あれば開業できます。
店舗型は自宅サロンやレンタルサロンに比べて、内装費や家具代といった初期費用が多くかかる傾向にあります。
また毎月家賃を支払わなくてはいけないため、顧客を獲得できるまではなかなか経営が厳しいといったケースも考えられます。
内装費といった初期費用を抑えたい方は、家具や備品や内装が付帯した状態で貸し出される居抜き物件を利用するのも良いでしょう。
自宅で行う場合
自宅でネイルサロンを開業する場合は、30万円程度あれば開業できます。
施術ベッドや消耗品など最低限のアイテムを揃えれば開業できるため、自宅のスペースさえあれば低リスク低コストで開業可能です。
ただし不動産によってはサロンとして利用できない場合もあるので、開業前に不動産に問い合わせるようにしましょう。
レンタルサロンを活用する場合
レンタルサロンを利用して開業する場合は、レンタルサロン代が1時間あたり1,000円〜2,500円にプラス消耗品代で利用できます。
レンタルサロンは利用する時間によって費用が決められるケースがほとんどです。
施術ベッドやソファは揃っているため、ネイルに使用する消耗品のみ自分で用意すれば開業できます。
お客さんから予約が入った日のみ利用できるため、さまざまな開業方法のなかでも1番赤字になりづらいのが特徴です。
フランチャイズに加盟して開業する場合
フランチャイズに加盟して開業する場合は、300〜800万円程度で開業できます。
さらに店舗型で開業する場合は、内装費や家具台などが追加で100〜250万円程度かかります。
ネイルサロン開業のなかでも費用が高額ですが、ブランド力を活用できるため、集客しやすかったり、顧客が安心して利用しやすかったりなどメリットが多くあるのが特徴です。
フランチャイズのなかでも初期費用を抑えて開業できる場合もあるため、複数のサロンを比較して検討するのがおすすめです。
ネイルに必要な設備・備品の費用
ネイルサロン開業に必要な設備や備品を揃えるためには、30万円程度必要とされています。
店舗型や自宅サロンは、施術ベッドやソファ、照明などの設備を揃える必要があります。レンタルサロンであれば必要設備は揃っているため、用意する必要はありません。
消耗品費
ネイルに必要なジェルや消耗品などを一式揃えるためには、20万円程度かかります。
利用する商材によって費用が異なりますが、できるだけ多くの種類を揃えておくとお客様のニーズにも応えることができるでしょう。
広告宣伝費
ネイルサロンを宣伝するためにかかる広告宣伝費は、10万円程度かかるとされています。
チラシやポータルサイト、看板広告など宣伝方法はさまざまです。
広告宣伝費用を抑えたい方はSNSやホームページなどを上手く利用して集客するのがおすすめです。
ネイルサロン開業で申請できる助成金
ネイルサロン開業では助成金を利用することで、開業資金の一部を助成金で賄うことが可能です。
必要な条件などは助成金によって異なるので、該当するものがあれば積極的に利用してみましょう。
ネイルサロン開業に利用できる代表的な助成金制度としては以下のようなものがあります。
・トライアル雇用助成金
・キャリアアップ助成金
・人材開発支援助成金
・特定求職者雇用開発助成金
・両立支援等助成金(出生時両立支援助成金)
・地域雇用開発助成金
このような助成金制度以外にも、各自治体が実施している助成金もあります。
東京都内では商店街を活性化させるために「若手/女性リーダー応援プログラム助成事業」といった制度を設けています。
実店舗を持っていない方が対象なので、開業前に気になる方は申請してみてはいかがでしょうか。
関連記事:ネイルサロン開業でチェックしたい助成金と補助金!種類や申請方法を解説
ネイルサロンをオープンするには?基本的な流れを解説
ネイルサロンをオープンするためには、様々な準備が必要で、何から始めれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか?
ネイルサロンをオープンするまでの基本的な流れは以下のとおりです。
- オープン日を決める
- 物件もしくはシェアサロンを決める
- 電話を開通させる
- 求人を募集する
- 必要な備品を準備する
- チラシや宣伝ツールを準備する
- 税務署に個人事業の開業届を提出
- 損害賠償保険への加入
流れについて1つずつ紹介します。
オープン日を決める
まずはオープン日を具体的に決めましょう。スタート日が決まらないと計画的に開業準備を進めることができません。
個人サロンであれば3ヶ月程度、従業員を雇う場合は半年程度の準備期間を設けましょう。
物件もしくはシェアサロンを決める
オープン日が決まったら早めに物件やシェアサロンを決めましょう。
特に内装工事が必要な場合は、工事の遅延も考えられるので、余裕を持ってスケジュールを組むのがベストです。また物件が決まったら電気や水道の開始手続きもしておくとスムーズですよ。
シェアサロンの場合は、ネット上で予約が可能ですが、一度見学してから予約するのがおすすめです。ネットの写真では分からない細かい部分や、駅からのアクセスを自分自身でチェックしましょう。
電話を開通させる
サロンを営業するにあたって電話やインターネットの開通は必須です。
手続き当日には開通できない場合があるので、余裕を持って手続きを行いましょう。
求人募集をする
数人のネイリストを雇う場合は、早めに求人を募集を行いましょう。
面接や研修期間など時間が必要になるので、物件が決まった時点で募集をかけるのがおすすめです。
必要な備品を準備する
施術ソファや家具、消耗品の準備を行います。内装工事を行う場合は、内装工事が終わり次第搬入できるので、事前に家具の下見をしておきましょう。
内装と家具のミスマッチが起きないよう、内装工事が終了してから購入するのがおすすめです。
チラシや宣伝ツールを準備する
チラシや宣伝サイトなど、早めに集客準備をしておくと、スムーズに集客ができます。
最近ではInstagramやTikTokが人気なツールとして発達しており、集客には最適なツールです。施術のビフォー・アフターや、サロン内の雰囲気をハッシュタグと共に投稿することで、人の目にもつきやすくシェアされやすくなります。
またminimoやHOT PEPPER BEAUTYを活用し、新規のお客様を獲得するのもおすすめです。
ネイルサロンのロゴ
ネイルサロンのロゴを作っておくと印象に残りやすいのでおすすめです。
ココナラやクラウドワークスなどから、ロゴ作成の依頼が簡単にできるので利用してみてくださいね。
ネイルサロンの名刺
お客様にお渡しするネイルサロンの名刺を作成しましょう。
- 自分が所持している資格
- ネイルの写真
- 簡単な自己紹介を兼ねたキャッチコピー
- ホームページやSNSのQRコード
- サロンのロゴ
- おすすめのメニュー(裏面がおすすめ)
上記の特徴を組み込み、「施術してもらいたい!」と思われるようなこだわりの1枚を作りましょう。
ネイルサロンのホームページ、ブログ
ホームページやブログではサロンの情報が発信できる優秀なツールです。
デザインがお洒落なホームページは、興味を引くきっかけになるので集客効果が期待できます。
多くの情報を発信することで、検索ページの上位に表示されるようになり、より多くのユーザーに見てもらえますよ。
無料ブログサイトでも良いですが、Wordpressなどを使用し、こだわったホームページを作るのがおすすめです。
税務署に個人事業の開業届を提出
開業届とは、個人で事業を開業するために必要な書類のことで、事業を開始した1ヶ月以内に提出する必要があります。税務署に行って提出する方法もあれば、「開業freee」を使用すれば自宅にいながらネットから提出することが可能です。
損害賠償責任保険への加入
ネイルサロンはお客様に直接触れる仕事なため、万が一怪我を追わせてしまう場合があります。
他にもシェアサロンの備品を破損させてしまった時のために、保険に加入し、リスク対策をしておきましょう。
ネイルサロンに成功するために必要なスキルとは?
ネイルサロンを開業したからと言って必ずしも成功するとは限りません。成功するためには多くのスキルが必要ですが、特に大切な2つのスキルを紹介します。
ネイルの技術
ネイリストとしてお客様の理想のデザインを実現できる技術を持っていることが大切です。
技術のないネイリストに高いお金を払おうとは思わないですよね。良いネイルをお客様に提供することで、お客様が満足してくれてリピーターへと繋がりますよ。
そのためには、現場で経験を積むことや、資格を取得することが非常に大切になってきます。
コミュニケーション能力
ネイルサロンではお客様とコミュニケーションを取りながら、施術を行うことがほとんどです。
またお客様がイメージしているデザインを、汲み取り満足するようなネイルに仕上げるには、コミュニケーション能力が問われます。
コミュニケーションを取るのが苦手な方や、慣れていない方は現場で先輩のトークなどを勉強してスキルを磨いていくことをおすすめします。
まとめ
ネイルサロンの開業に必要な知識や開業方法や流れについて紹介しました。
ネイルサロンを開業するために必須の資格はありませんが、知識や技術の証明として取得するのもおすすめです。
ネイルサロンの開業形態としては、店舗型や自宅型、フランチャイズに加盟するなどの方法もありますが、レンタルサロン(シェアサロン)が最も低コストかつ低リスクで開業できます。
開業資金に不安がある方は、シェアサロンや助成金制度の活用も検討してみましょう。
関連記事:ネイルサロン開業でシェアサロン(レンタルサロン)がおすすめの3つの理由