開業を考えているけれど、独立後の集客に不安がある人は多いのではないでしょうか。これまで会社が行っていたお店の集客活動を自分自身でひとつずつ考えていかなければいけません。また、既存の顧客が新店舗にも通ってもらえるかどうかも、実際に開業してみなければわかりませんよね。
そこで今日は、開業を考えているセラピストの方へ向けて、効果的な集客方法をご紹介します。新規顧客やリピーターなど、ターゲットに合わせた集客方法が知りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
集客を成功させるために重要な「サロンの軸」
集客方法について日々頭を悩ませている方は少なくないと思いますが、集客方法について考える前にひとまず自分のサロンを見つめ直すのがおすすめです。集客が上手くいきかけていても、来店したサロンの方向性や雰囲気がお客様に刺さらなければ、リピーターがなかなか定着しないサロンになってしまいます。
お客様の心をしっかりと掴んで離さないサロンにするには、サロンの方向性やターゲットを綿密に設定していくのが大切です。
①メインターゲットを設定する
サロンを経営していく上で、1番最初に決めておくべきなのがターゲットです。開業したら、自分のサロンはどの客層に1番喜んでもらえるのかを常に考え続けなければいけません。ターゲットを決めないまま開業してしまうと、集客がしづらく売り上げがなかなか伸びないサロンになってしまいます。
自分のサロンに来てほしい顧客のターゲット層をよく見極め、狙いを絞っていきましょう。
②サロンのコンセプトを考える
①でメインターゲットを設定できたら、次にサロンの具体的なコンセプトを決めるとよいでしょう。コンセプトは、メインターゲットを設定できればおのずと決まってくると思います。自分のサロンがどうありたいか、自分がどう働いていきたいかなども踏まえながら考えてみましょう。なかなか考えがまとまらない方は、箇条書きでざっと思いつくポイントを洗い出してみるのがおすすめですよ。
③サロンの主力メニューを決定する
ターゲットとコンセプトに基づき、サロンのメインとなるメニューを考えてみましょう。主軸となるメニューを決めておくことで、無駄な材料費や新技術の研修費など必要なものだけを絞れます。開業するとなるとあれもこれも導入してみたくなってしまいますが、まずは自信のあるメニューでお客様をおもてなしするところから始めましょう。
④集客の数値目標を明確にする
お客様の施術に集中して取り組んできた現場のセラピストたちにとって、売り上げや集客率の数値化に苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。サロンを開業したら、ただ目の前のお客様を満足させるだけでは経営者は務まりません。あえて数字にしてみることで、誰が見ても明瞭でわかりやすく、自分にとっても取り組みやすくなるため目標は数値にして明確にしておきましょう
ターゲットとサロンのコンセプトを決める具体的な方法
集客したいターゲット、サロンが目指すコンセプトの設定をあらかじめ決めておくのは非常に重要ですよね。では、実際にターゲット・コンセプトを明確に決定していくための具体的な手順について解説していきます。
出店候補エリアの競合店舗を調査する
出店エリアのリサーチは、どんなビジネスを始める上でも最も重要です。出店エリアがどのような地域なのか、またその地域ですでに存在する競合サロンについて調査しましょう。自分の開業するサロンのサービス内容が競合サロンと似ているのなら、ほとんどの場合は競合サロンの方が有利であると言えます。なぜなら、似ているサロンが2つある時、口コミや実績が多いサロンが選ばれてしまい、新規参入したサロンは不利になってしまうからです。
あらゆる方面から調査を進めて、競合サロンにはない要素を組み込んでいきましょう。競合サロンとの差別化を図り、安定した集客ができるようなターゲット・コンセプトにする必要があります。
調査内容:サービス提供範囲、金額、店舗のウリ、雰囲気、集客方法(SNS、HP…)
実際に競合サロンを調査すると言っても、悩んでしまいますよね。そんな方は以下のポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
・サービスはどんな内容をメインにしているか(exリラクゼーション中心?姿勢改善?)
・価格帯はどれくらいか
・どのような点をウリにしているのか
・サロンの雰囲気
・集客はどのような方法でしているか
競合サロンは、自身のサロンを経営する上で大変良いお手本です。徹底的に調査して、参考にできる範囲で良いところをどんどん取り入れさせてもらいましょう。
出店候補エリアの特性を調べ、ボリュームゾーンを特定する
出店エリアがどのような土地なのか把握しておき、メインとなるターゲット層を選定していきましょう。住宅街ならば主婦層を、オフィスが多い駅前なら仕事帰りのOLといったように、エリアに合わせてターゲットを絞っていく必要があります。自分の狙っている地域にどのような特性があるのか、的確に判断したいところですね。
近隣の学校に通う学生
近隣に学校があり、学生が多く利用しているエリアでは、学生をターゲットとして捉えられますね。しかしサロンのサービス内容によっては、若年層のニーズが掴みにくいケースもあります。学生をターゲットにするなら、学生割引やペア割引など気軽にサービスを試してもらえるような施策を考えましょう。
夜まで働くサラリーマン・OL層
オフィスが多く存在していて、サラリーマンやOLの多いエリアでは遅い時間までオープンしているサロンはお客様に重宝されます。しかし、毎日遅い時間まで営業してしまうと体力的に厳しくなってしまったり、防犯上のリスクがあったりしますので営業上の工夫が必要です。
近隣に住む主婦層
住宅街が広がるエリアでは、主婦層をターゲットに考えるセラピストも多いことでしょう。主婦層は、予約が埋まりにくい平日の昼間の時間帯に来店が期待できるため、多くのセラピストがターゲットにしたい層です。ただし家計管理を担っている主婦層は、コストにシビアな方も多いので集客方法が難しい層でもあります。
インターネットをあまり見ないシニア層
駅周辺に商業施設が広がり、交通の便がいい場所はシニア層の集客も期待できます。ある程度収入も安定しており、コンスタントな来店が見込めるので積極的に集客したい層ではありますよね。ただ、インターネットを活用するのが苦手な方も多くいるため、ビラやポスター、看板など集客コストが割高になってしまう可能性もありますよ。
ユーザー(利用者)のニーズと自身の強みが重なる部分を特定する
出店エリアを調査しメインとなるターゲットを絞れたら、そのターゲットは自分のサロンを利用するメリットがあるのかどうかを客観的に考えてみましょう。ユーザーはどんな理由で自分のサロンを利用するのかを想像し、そこへ自分のサロンの強みが生かせるか、ポイントを洗い出してみるのをおすすめします。
ユーザーのニーズと自分のサロンの強みが合致しているポイントを洗い出すことで、サロンのコンセプトをより強く意識できますよ。
ハード面とソフト面を意識する
では実際にどんなポイントに気をつければよいのでしょうか。セラピストで言うハード面はベッドの種類、商材、店舗設備などのことを指します。ソフト面はセラピストの技術、接客サービスのことですね。ハード面とソフト面、両方の視点から考えてみてくださいね。
新規顧客の集客方法9選
新しく開業するなら、新規顧客をドカンと増やしていきたいですよね。新しい土地で新規顧客を増やすための集客方法を9つご紹介していきます。
①チラシのポスティング
基本のチラシのポスティングは、インターネットを活用するのが苦手なシニア層の集客に効果が期待できます。ただしインターネットでの集客に比べて多少コストがかかるので、反響が見込めるか出店エリアをしっかりと調査する必要があります。
②インスタグラムで写真投稿
あらゆるビジネスの分野で、最も使われている集客方法だといえます。特に20~30代の若年層を集客したいビジネスには特に有効で、離れたエリアから集客が見込めることも。作業も簡単に行えて、ある程度ノウハウを習得すれば効果が期待できるのが特徴です。
③You Tubeで動画を配信
インスタグラムよりもより詳しく、ユーザーにサロンの魅力を訴えかけられます。ただし動画作成は素人が始めるには多少知識が必要な上、動画作成に時間がかかるため外注する方が多く見受けられます。
④TwitterやFacebookでサロン告知投稿
インスタグラムを利用している層よりも少し高めの年齢層を狙いたいなら、TwitterやFacebookがおすすめです。国内最大級のプラットフォームのため、利用しない手はありません。こちらも作業が簡単で、時間もコストもかからず始めたその日から反響を見込める可能性があります。
⑤ブログ投稿
ブログ投稿も40代~年齢層の方へ効果があります。インスタグラムやFacebookなどのSNSを利用していないユーザーへ効果的です。
⑥外部の集客サイト・予約サイトを利用
集客サイトや予約サイトを利用するメリットとしては、予約システムが併用できる点です。これによりネット予約ができるようになりますので、予約率をこれまでよりも圧倒的に上げられます。しかし、月額費用を支払う必要があるため費用対効果を考えた上で契約しましょう。
⑦雑誌に広告を出稿する
雑誌に広告を出稿する方法もあります。年配の方が読むタウン誌や若者向けのファッション誌など、ターゲットに合わせて出稿する雑誌を選びましょう。
⑧インターネット広告を出稿する
インターネット広告自体は人気が集中している集客方法ではありますが、運用方法が難しく素人にはなかなか手が出しにくい集客方法です。そのため、利用したいならコストをかけて外注する必要があります。
⑨友人や家族の紹介
サロンを始めて最初のうちは、友人や家族へ積極的にサロンの紹介をお願いしましょう。また、実際にサロンへ足を運んでもらい、サービスを体験してもらうことでリアルな声を拡散してもらえますよ。
リピーターの集客方法4選
サロンを成功に導くためには、リピーターの定着が重要課題となってきます。リピーターがコンスタントに来店してくれるような集客方法を4つご紹介します。
①ダイレクトメール・メルマガを配信
新機材を導入した、新メニューを追加したなどお得に感じるような情報を定期的に配信していきましょう。不定期の更新や不利益な内容、頻繁にメールを送る状態だと、メルマガはすぐに退会されてしまいます。
②リピーター特典を設ける
新規限定のクーポンを出しているサロンは非常に多く見かけますよね。リピーター限定の特典を充実させて、差別化するのもおすすめです。
③友達紹介特典を設ける
紹介した方とされた方両方に特典を用意すれば、新規来店とリピーター来店を両方ゲットできますよ。
④サンクスカードを送る
暑中見舞いや年賀状だけでも送付すると、サロンを思い出してもらえるきっかけになります。特に、年配のお客様には喜ばれるケースが多いですよ。
集客する時に意識すべき5つのポイントとは?
ポイント1. 施術者の雰囲気を伝える
ネット社会では本人同士の顔が見えないのが当たり前ですよね。施術者の表情がわかる写真をアップしているだけで反響が増えたというケースもあります。
ポイント2. 差別化ポイントを伝える
他のサロンと差別化しているポイントを、積極的にアピールしていきましょう。そのためには、競合サロンのリサーチやコンセプトをしっかり決めておくのが重要です。
ポイント3. メニューと価格の明示
メニューと価格が明確であることは非常に重要です。どんな年齢層の方が見ても、ぱっと見て「○○円支払えばサービスを受けられる」ことがわかるように明示しましょう。
ポイント4. 口コミ
お客様同士の口コミは、反響率の高い集客方法のひとつといえます。お客様が気持ちよく知人を紹介できるようなサロン作り、接客サービスを常にこころがけましょう。
ポイント5. 正確な基本情報の開示
公式のホームページを作成して、サロンの場所や料金が網羅できるサイトを作るのがおすすめです。ハードルが高そうなら、まずは公式のLINEやSNSアカウントを作成してみてはいかがでしょうか。
まとめ
開業セラピストの多くが、日々集客方法に頭を悩ませていることかと思います。まずは出店したいエリアで、自分のサロンの強みが生かせるかどうかを考えてみましょう。それには、具体的にリサーチを勧めていくことが重要ですよ。
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