福岡市中央区渡辺通の美容鍼灸サロン「acune」。院長を務める工藤綾乃さんは、芸能人も多く訪れるという東京の人気美容鍼灸サロンでの勤務を経験した後、地元である福岡県で独立しました。
現在は肌荒れ、小顔、リフトアップなどの美容目的から、首・肩こり、むくみ、生理痛、自律神経の乱れなど、身体の不調を取り除く鍼灸施術を行っています。
東京から福岡に戻ってから店舗を持つまでの期間、minoribaを利用しながらその足がかりを作っていったという工藤さん。minoribaを利用しようと思ったきっかけや良かったこと、店舗経営にいたるまでのプロセスなど、幅広くお話をうかがいました。
東京での経験を経て、福岡への独立を決意
――まずは、これまでの経歴について教えてください。
鍼灸学校卒業後、最初は地元である福岡の鍼灸整骨院に1年半ほど勤務しました。しかし、その院は雑用が多いだけでなく、美容系の施術や針など、自分がやってみたいことができなかったんです。
「このままではいけないな」と、転職という形で東京へ行きました。東京の就職先は美容鍼灸専門のサロンで、やっと美容系の施術ができるようになって嬉しかったですね。それに、同僚に技術の高い人が多く、切磋琢磨して私も腕を磨くことができて。そのおかげで、予約が2ヶ月待ちになるほど、多くの方に指名していただけるようになりました。退職直前は、チーフとしてスタッフのマネジメントや教育も担当させてもらい、その経験も今に活きているなと思います。
4年ほど勤めた後、地元で仕事がしたいという思いが強くなり、2020年の1月、26歳のときに福岡へ再び帰ってきました。その後、開業して2021年の3月に自分の店舗を持つのですが、店舗を持つまでの期間にminoribaを利用していました。
――minoribaを利用しようと思われたきっかけはなんですか?
実は福岡へ再び戻ってきた当初は、就職するつもりでいたんです。でもなんとなく「東京では結構人気のところで働いていたから、福岡であのときよりも良い環境はないだろう」ということはわかっていて。
納得して働ける場所がなかったら、独立・開業する覚悟は一応していました。しばらく探すなかで、これまでの経験を活かすには自分でお店を持つことが一番だと思い始めたのですが、最初から店舗を持ってもうまくいかない気がして。まず、集客が難しいことはわかっていたし、経営の知識はゼロだし、自信もないし。
とりあえず、薬院で間借りをしながら営業をスタートしました。minoribaの存在を知ったのは、この時期です。いきなり店舗を持つという賭けに出るのではなく、まずベースや土台を作ろうとしていた私にはぴったりだと思って、利用を決めました。
minoribaでのリピーター獲得が店舗を構える足がかりに
――minoribaを利用して良かったと思うことを教えてください。
一番は、サロンの環境や設備がきれいで清潔感にあふれていたことです。他のレンタルサロンやシェアサロンも調べてはいたのですが、きれいだなと思うところはなかなか見つかりませんでした。設備や清掃に関しても、堂々と「ここにお客様と呼びたい」と思える環境ではなくて。
それに比べてminoribaはホテルの一室という環境なので、やっぱりすごく綺麗だし、立地もいい。それから、これはアンケートをとってわかったのですが、初めて行くお店、しかも鍼灸サロンは、お客様にとって意外とハードルが高いそうなんです。ネイルサロンやエステサロンよりも、怖いイメージがあるようで。でも、minoribaを使っているときは「ホテルだったから入りやすかったです」という声も多かった。それを知ったときは、利用してよかったなと強く思いました。
実際、minoribaを利用して施術をした新規のお客様は、ほぼリピートしてくださって。それがきっかけで売り上げをどんどん上げることができて、店舗を持つ自信にもつながりました。
――工藤さんから見て、minoribaはどんな人におすすめですか。
「店舗でやっていける」という計算ができている人や、ちゃんと経営を学べている人は、いきなり店舗を持っても良いかもしれません。逆に、安定していない人、リスクをまだ負いたくない人は、minoribaのようなシェアサロンから始めてみるのが良いと思います。
施術ができて、勤めていたお店で指名がついていた人でも、独立したらまた全然別次元。勤務先でお客様がついてるからといって、独立しても皆がついてきてくれるとは限りません。開業し始めの時期や、どこかに勤めてはいるけれど、自分だけの力でやれるか試してみたいとか、そういう初期段階のときはminoribaを絶対におすすめしたいなと思いますね。
minoribaの利用を経て、店舗を開店
――minoribaの利用を経て、現在は店舗を構えられたのですね。
はい。2021年3月から、中央区渡辺通に店を構えています。minoribaや間借りのサロンでの売り上げが安定して立ってきたおかげで、店舗を持つ決心がつきました。
店舗を持ったから特別、なにか大変になったと感じたことはないのですが、店舗を持ったことで人を雇うことを考えるようになって。将来的には結婚や出産もしたいですし、1人だと産休を取ろうと思ったら、お店を休まないといけません。店舗だとその間にも家賃は発生してしまうので、他にスタッフがいるのが理想的だなと考えるようになりました。でも、人を雇うためには、もう一歩売り上げを上げなくちゃいけない。そのために値上げしたり、離脱がでないようなサブスク制を導入したりと、ビジネスモデルを試行錯誤しましたね。
1人で考えるのは難しいので、意欲の高い同業の経営者が集まるグループに入り、助言やアイディアをもらって勉強しました。2021年10月ごろから準備して、今年の4月から無事にスタッフを雇うことができたので、安心しています。
――店舗を運営するなかで、意識されていることはなんですか。
一番は「経営者としての自分」と「お客様の前にいる自分」を完全に切り離すことです。「売上をいくらあげなきゃいけない」など、数値的な目標に向かって先を見据えていくのが、経営者としての自分。それに対してお客様の前にいる自分は、売り上げなど気にせず、ただ目の前のお客様のお悩みが解消することを喜べる自分。どちらも必要ですが、混ざってしまうのはよくないと思っています。
例えば、お客様の前で経営者の自分が出てしまえば、必ず売り上げに対する考えがちらついて、お客様に伝わってしまう。本当はお客様のために勧めているのに「売り上げのために勧めている」と1ミリでも感じられては、信頼関係が崩れてしまいます。だから、そうした2つの考え方が混ざらないように意識していますね。目標もそれぞれで持つようにしていて、お客様の前の自分としては、目先の利益ではなく、来院された方のお悩みを解消し、幸せになってもらうこと。経営者としては、スタッフも含めてちゃんと休めて、働きに見合ったお給料がもらえて、無駄なストレスなく楽しく働けるような環境を作っていきたいと思っています。
将来的には、自分も結婚して家庭を持った上で、2〜3店舗ぐらい持ち、スタッフも10人ぐらいいるような状態にできたらいいですね。
「ビジョンを明確に」独立を考えるセラピストへのメッセージ
――今、独立を考えているセラピストの方へのアドバイスをお願いします。
「どんな人に何を届けたいか」「将来どうなりたいか」という、ビジョンを明確に出してからやってみることが大切だと思います。私の場合は店舗を持つ前に、minoribaを使って集客やリピーターを増やすことにまずは力を入れました。「来てね」と言うだけでは、お客様はそう簡単に来てくれません。それを前提に「来たいと思ってもらうために何ができるか」をいろいろと考えました。経営というより、マーケティングを重視していたと言ったほうがいいのかも。
私もそうして集客に力をいれたことが店舗につながったので、minoribaを活用してリピーターを増やすことは、独立した人にとって次につながる一つの足がかりになると思いますね。
でも、結局一番重要なのは「やる気」。私は本当に何もわからない状況で、気がついたら一歩踏み出していました。勝手に坂道を下って進んでいったような感じですが、それでもなんとか生きていけています。とにかく「やる気を持ってやる」といいことがあるかもしれませんよと伝えたいです。
――最後に今後、minoribaに期待することはありますか。
全国のセラピストさんが皆、minoribaのことを知っていて「開業をするならまずはここ」「シェアサロンと言えばここ」という、シェアサロンの代名詞みたいな存在になったら良いなと思います。それから、海外でやってみたいなと思ったとき、minoribaが海外にも展開していれば、安心して利用できます。いずれそんなふうに、幅広く利用できる存在になっていてくれたらすごく嬉しいです。
最後に
地元・福岡での独立後、minoribaを活用しながら集客や売り上げを着実に確保していき、自身の店舗を構えるにいたった工藤さん。何よりも大事と語る「やる気」を、一つひとつの行動につなげていったことが、彼女の現在の活躍につながっています。
今後も「お客様の前での自分」「経営者としての自分」の両方で掲げた目標のもと、多くの人に愛される美容鍼灸サロンを目指していきたいと、工藤さんは語ります。
美容鍼灸サロン「acune」
サロンホームページ:https://acune.jp/
サロンのご予約はこちら:https://www.shinq-yoyaku.jp/salon/33175