ネイル業界でのキャリアアップを考えている方や、ネイリストを目指すためにネイリスト検定の受験に踏み切る方は、年々増えています。
しかし、忙しい日々を送る中でスクールやセミナーへ通うことが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「ネイリスト検定は独学で合格できるのか?」という疑問に焦点を当て、検定合格に向けた勉強方法やポイントを解説していきます。
おすすめの教材や実技練習の効果的な方法など、具体的なアプローチをご紹介します。独学でネイリスト検定に挑戦したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ネイリスト検定とは
ネイリスト検定(JNAネイリスト技能検定試験)とは、JNA(NPO法人日本ネイリスト協会)が1997年から主催しているネイル業界では歴史ある資格認定試験です。
ネイリストとしての技術と知識を正確に評価し、ネイリストとしてのスキルがあることを示す手段として多くのネイリストが取得しています。
ネイリスト養成スクールや美容の専門学校では、カリキュラムの一環として取得が義務付けられている教育機関もあるほどで、ネイル業界では最も重要視されている検定資格試験といっていいでしょう。
3級から1級まで難易度が分かれており、受験者は3級から受験して徐々に難易度が上がっていく仕様になっています。公式によると、難易度の目安は以下の通りと定められています。
- 3級…ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識
- 2級…サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識
- 1級…トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識
実技試験の後に筆記試験を受ける流れになっており、どちらもしっかりと対策が必要です。
ネイル業界で通用する資格検定の種類
ネイル業界では、ネイリスト検定以外にも、ジェルネイルやフットケア理論に関する検定などが存在します。
ネイル業界でJNAJNAネイリスト検定とともによく取得されている検定資格は以下のようなものがあります。
- JNAジェルネイル技能検定試験
- JNAフットネイル理論検定試験
- JNA認定ネイルサロン衛生管理士
これらの検定は、ネイリストとしてのスキルや知識を評価し、業界内での信頼性を高めるための一つの指標となります。
資格取得を通じて自身のスキルアップを図ることは、将来ネイリストとしてのキャリアにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
ネイリスト検定の合格率
ネイリスト検定の合格率は検定の種類やレベルによって異なり、また合格基準は一緒でも試験毎に合格率の数値は変動します。大体の目安は以下の通りといわれています。
- 3級…合格率80~90%前後
- 2級…合格率50~60%前後
- 1級…合格率40~50%前後
3級はネイルに関する基礎知識を確認する内容のため、セルフネイラーや美容の専門学生が必修カリキュラムとして受験することが多いようです。
2級・1級からはより高度な技術が求められるため、一気に合格率が下がります。
ネイリスト検定は就職に有利?
ネイリスト検定の取得は、ネイルサロンへの就職活動においてメリットとなるケースが多いでしょう。
ネイリスト検定は国家資格ではないため、取得していなかったとしてもネイルサロンへの就職やネイルサロンの開業をするのに何も問題はありません。
検定資格を何も取得してこなかった、といった人気ネイリストも実際に活躍しています。
しかし、そういったネイリストはまだまだレアケースで、特に上位の検定資格を持っていることは他のネイリストと差別化できるポイントとなるでしょう。
また、検定の取得は自己成長や専門性の証明となり、お客様に対して安心感を与えることができます。ただし、ネイリスト検定だけでなく、実務経験やコミュニケーション能力も重要です。
自身がネイリスト検定資格をどこまで取得するのかといった基準としては、お客様に資格の有無を問われた際に自信を持って説明できるかどうかが決め手になるでしょう。
ネイリスト検定は独学でも合格できる?
ネイリスト検定は独学でも合格することができます。合格に向けての勉強方法やポイントを押さえれば、自宅での対策も可能です。ただし、それには計画的な学習と十分な練習時間を確保しなければいけません。
3級は合格率90%を超えてくることがほとんどのため、独学でも十分可能ですがしっかりとした対策が必要です。
一方で、2級や1級試験はセルフネイルでは扱わないようなネイル補強技術やスカルプチュアの知識と技術が内容に含まれるため、難易度がぐっと上がります。
しっかりと対策をしても不合格になってしまうケースは珍しくなく、2級から1級を目指す方はスクールや講師の指導が入ることがほとんどです。
特に1級試験では合格率が30%程度まで下がってしまうケースもあることから、合格には十分な対策が必要だといわれています。
【筆記】ネイリスト検定合格に合格するための有効な勉強方法
ネイリスト検定では筆記試験もあります。ここでは、ネイリスト検定の有効な筆記試験対策のポイントをご紹介します。
ネイルに関する基礎知識の習得
ネイリスト検定では、ネイルケアや爪の病気、ジェルネイルの基本知識など、幅広い知識が問われます。筆記試験の有効な対策方法として、過去問をひたすら解くことが挙げられますが、何も知らない状態では解くことすらできません。
まずは教科書や参考書を用いてネイル用品の名称、爪の基本的な構造などの基礎知識をしっかりと暗記することから始めましょう。
ここでの知識はいずれサロンワークでお客様へ爪の構造を説明するときにも役立ちます。
過去問題の解答演習と復習
過去の検定問題を解答し、現状の自分の理解度を確認しましょう。誤った理解や知識の不足があれば、再度学習し、復習を行います。過去問演習は合格に向けた最も効果的な学習方法です。
問題集を一冊、90%ほど点数が取れるようになれば当日も落ち着いて試験に臨めるでしょう。
学習計画の立て方と効果的な時間管理
学習計画を立て、それを守ることが重要です。自分に合った勉強時間や復習のスケジュールを決め、効果的な時間管理を心掛けましょう。
ネイリスト検定では実技試験の対策を重点的にする方が多い反面、直前になって筆記試験対策が不十分になってしまうケースも多く見受けられます。
短期集中型や長期計画型など、自分に合ったスタイルを見つけて取り組みましょう。
【実技】ネイリスト検定合格に合格するための有効な練習方法
ネイリスト検定に合格するには、実技試験の対策方法が重要です。ここでは実技試験対策に有効な練習方法を解説していきます。
ネイリスト検定の募集要項を熟読
ネイリスト検定の実技試験では、あらかじめ募集要項が決められており道具の配置や使用する器材まで指定されています。指定されたルールから外れたことをしてしまうと、減点や最悪の場合失格になってしまうケースもあります。
募集要項にある採点基準は暗記するくらい詳しく確認し、どのようなことをすると減点・失格対象になるかを理解しましょう。
モデル練習の時間をなるべく確保する
実技試験では、実際のモデルの爪に施術を行います。爪の形や大きさ、向きは十人十色で1人1人違うものです。試験当日にお願いするモデルの爪にいち早く慣れておくことをおすすめします。
特にスカルプチュア技術が必要とされる1級試験を受ける方は、爪の形や向き、大きさによって練習内容が変わってくる場合がありますので、早めにモデルの手で練習できるように時間を確保しましょう。
時間管理を意識した実践練習を心がける
実技試験では、限られた時間内にネイルアートを完成させる必要があります。時間管理が重要ですので、実際の試験と同じ時間制限で練習することがおすすめです。短時間での実践練習を繰り返すことで、スピードとクオリティの両面で成長します。
また、スピード感に普段から慣れておくことで、本番で緊張しても落ち着いて試験に臨めるでしょう。
独学でのネイリスト検定合格へのポイント
ここでは独学でネイリスト検定に合格したいといった方に向けて、対策上のポイントを解説します。スクールやセミナーに通わず、まずは独学で挑戦してみたい方はぜひ参考にしてください。
本番さながらの実践練習を繰り返し行う
独学でのネイリスト検定合格には、本番さながらの実践練習を何度も繰り返すことが重要です。実際の試験と同じ環境で練習し、自身のスキルを高めていきましょう。時間制限や試験の要件に慣れることで、自信を持って臨むことができます。
本番の試験は全国各地の専門学校やJNA認定スクール内、1級になると関東圏はビッグサイトのような大きな会場で行われるケースもあります。自宅ではなく、シェアサロンを活用すると荷物の持ち運びからセッティングまでをシミュレーションできておすすめです。
シェアサロンサービスminoribaでは全国各地に時間貸しで誰でもレンタルできるシェアサロンを用意しています。練習場所をお探しの方はぜひ活用してみてください。
スクールでも使われている教材を活用する
独学でも、スクールで使用されている教材を利用することができます。教科書や参考書、オンラインの動画講座など、専門的な知識や技術を学ぶための資料は多くあります。スクールで使用されている教材を活用することで、効率的な学習が可能になります。
JNAの認定スクールや専門学校でよく使われているのは以下の2点です。参考書で悩んでいる方は参考にしてください。
周りのサポートを積極的に受ける
独学でも、周りのサポートを受けることは重要です。ネイリスト仲間やSNSコミュニティに参加し、情報交換やアドバイスを得ることで、モチベーションを保ちながら学習できます。また、フィードバックをもらうことで自身の課題や改善点を把握し、成長に繋げることができます。
ネイリスト検定合格後のキャリアアップへの道
ここでは、ネイリスト検定に合格した後はどのようなキャリアパスがあるのか、またさらなるキャリアアップをするにはどうしたらいいのかを解説していきます。
ネイリスト検定合格後のキャリアパス
ネイリスト検定合格後は、さらなるキャリアアップの道が広がります。ネイルサロンでの就職や独立開業、ネイリストとしての経験を積みながらアートやネイルケア、フットネイルなど自分が好きな技術の専門性を高めるなど、自身の目標に応じたキャリアパスを選択しましょう。
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ネイル技術の継続的な向上と学びの追求
ネイリストとして活躍したいなら、常に最新のトレンドや技術動向に目を向け、自身のネイル技術を磨くことが大切です。ワークショップやセミナーへの参加、新しい技術や材料の研究など、学びの追求を続けましょう。
関連記事:ネイリストの年収について徹底解説!業界の平均給与や高収入の秘訣を大公開
ネイリストとして実践的なネイル施術を継続する
実践的なネイル施術を継続し、たくさん数をこなして経験を積むことが重要です。ネイリスト検定に合格できたとしても、実際にお客様の手に施術する技術があるか、センスのいいネイルを作れるかは経験を積むしかありません。
お客様の要望に応えられるネイリストになるために、実際の施術経験を豊富に積みながら、技術とセンスを磨いていきましょう。
まとめ:実践練習ならシェアサロンを活用するのもおすすめ
ネイリスト検定合格を目指すためには、実践練習が欠かせません。ネイリスト検定は独学で合格できる可能性がありますが、周囲のサポートや実践的な経験を積むことは、さらなる成長やキャリアアップに繋がるでしょう。
特に独学で学んでいる場合は、自分自身で環境を整えることが求められます。その際、シェアサロンを活用することをおすすめします。
シェアサロンでは実際のサロンワークでも使われているようなサロンスペースを時間貸しでレンタルできます。シェアサロンサービスminoribaでは、厳選された清潔で使い勝手のいいサロンスペースが誰でもレンタルできるため、モデル練習を伴う実践練習に最適です。
ネイルに特化したスペースも豊富なため、気になる方はぜひ見学してみてください。
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この記事を書いた人:斎藤あや|ネイリスト ネイリスト歴6年。セルフネイラーから独学でネイリスト検定3~1級までを取得。都内の大手サロンから個人サロンまで3社を経験し、現在は美容分野中心のWebライターとして活動中。1児の母。