自宅でサロンを開業したい人が知っておくべき5つの基礎知識

さまざまなスタイルの美容サロンが増えている中、自宅サロンの開業を一つの選択肢として検討している方も多いことでしょう。また、利用したい自宅サロンがあるけれど、仕組みや料金相場がわからず不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では自宅サロン開業のための基礎知識を中心に、自宅サロンがどのような仕組みで運営されているのかを解説していきます。自宅サロンについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

基礎知識①自宅サロンを開業するに必要な手続き

まずは、自宅サロンの開業において踏まえるべき必要な手続きについて確認しましょう。サロン運営する上で自宅スペースの条件が揃っているか、サロン開業するにはどんな許可が必要なのか解説します。

開業届出の手続き

自宅スペースを利用してサロンを運営する場合でも、開業届の申請が必要です。

開業届の提出は必須ではありませんが、青色申告で確定申告するには開業届の提出が必須です。

通常の白色申告よりも青色申告の方が経費としての控除額が大きいため、節税できる額に差が出ます。

また、就労証明としても信用度が高いことから、自宅サロンでも開業届を出すケースが多いようです。

建築基準法の確認

自宅スペースをサロンとして活用するためには、サロンとして営業するための基準にのっとっているかどうか、チェックしておく必要があります。

建築基準法は住居や事務所などといった使用用途によって変わるため、サロンとして利用するにはこの基準を満たさなければいけません。

週末だけ・平日だけ営業しているような場合でも、サロンとしての建築基準を満たす必要があります。

開業に必要な許認可の取得

自宅サロンで提供する施術内容によっては、許認可が必要な場合があります。例えば、マツエクやアイブロウサロンなどは、美容師免許が必要です。

さらに、営業許可を得るには保健所へ美容所登録をしなければいけません。

自分が提供したい施術サービスは、どのような許可をとる必要があるのかを確認し、取得しておく必要があります。

基礎知識②自宅サロンで提供可能な施術の種類と料金相場

自宅サロンでよく提供されている施術サービスの種類と、料金相場を解説していきます。

自宅サロンで提供可能なサービスを知りたい方や、自宅サロンの料金相場が知りたい方はぜひ参考にしてください。

エステティック

エステティックサロンは、顔から全身に至るまでの美容ケア・トリートメントができます。手技はもちろん美容機器を駆使して、顔を含む全身の皮膚のケア、体形を整えるための効果が期待できる施術を行います。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や内容によって変動しますが、以下の通りです。

・フェイシャル:約6,000円~30,000円(ハンド・マシンにより変動)

・ボディケア:約15,000円

・リラクゼーション:約8,000円~15,000円

参考:エステの費用相場はどれくらい? |自宅サロン4Clover|salon4clover

リンパマッサージ

リンパマッサージとは、全身を流れるリンパ液の流れをよくして、不要な水分や老廃物を流すマッサージです。

リンパマッサージの自宅サロンでの料金相場は施術箇所や内容によって変動しますが、60分5,000円~6,000円が相場といわれています。

参考:リンパマッサージの料金相場|『Rinpro(リンプロ)』一生モノの仕事につながるリンパマッサージの資格ガイダンス

ネイル

ネイルサロンでは、ネイルケアや自分の好きなネイルアートを楽しめます。美しく健康な爪を育てるためのケアに特化したサロンや、手書きアートを追求したサロンなど、サロンによって特徴は様々です。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や内容によって変動しますが、8,000円〜10,000円が相場といわれています。手書きアートやスカルプなど、特別に時間を必要とするメニューはこの金額の倍近くかかるケースも多いようです。

参考:ネイルサロンの料金表の価格設定は?料金の考え方とおすすめのメニュー表の作り方を紹介|リザービア

ヨガ

ヨガは、呼吸やストレッチ、瞑想を組み合わせて心身の緊張を解きほぐし、自律神経の安定を促す効果が期待されています。

女性ホルモンを整えることにも効果があるとされ、特に女性へ人気が高まっています。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や内容によって変動しますが、グループレッスン1回2,500円~4,000円、マンツーマンレッスン1回5,000円~8,000円が相場といわれています。

参考:【独立・開業】ヨガ教室・ヨガスタジオを開業するまでの流れと開業資金を解説|会費ペイ

アロマテラピー

アロマテラピーは植物由来の精油で皮膚をトリートメントし、心身ともに癒しを与える効果が期待されています。1人1人の悩みや不調に合わせてアロマを選び、全身の凝りや腰痛、ストレスの緩和を目指します。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や内容によって変動しますが、全身60分で約6,000円~7,000円が相場といわれています。

参考:アロマセラピー料金表|モンサンミッシェル

リフレクソロジー

リフレクソロジーは、足裏からふくらはぎまでのオイルマッサージのことを指します。

足裏のツボを刺激して血行やリンパの流れを促進し、老廃物の排出を助けることで全身の健康状態を良好な状態へ導きます。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や施術時間によって変動しますが、60分で約6,000円が相場といわれています。

参考:リフレクソロジー Reflexology|Relax

カイロプラクティック

カイロプラクティックは、背骨や骨盤などの骨格のゆがみを施術者の手技で調整する施術です。脳に繋がっている神経系の働きを整えることで、体の不調を改善する効果が期待できます。整体や接骨院に付随してメニューに取り入れられているサロンが多いようです。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や施術時間によって変動しますが、60分で約5,000円が相場といわれています。

参考:料金|【腰痛・肩こり専門】高野森井療術院

鍼灸

鍼灸は、ツボに直接鍼や灸で刺激を与えて血液やリンパの流れを促進する民間療法です。

人間がもともと持っている自然治癒力によって、自律神経やホルモンバランスを整え、健康増進の効果が期待できます。

自宅サロンでの料金相場は施術箇所や鍼・灸の数によって変動しますが、1回およそ約6,000円~7,000円が相場といわれています。

保険診療が適用となるケースもあるため、サロンによって確認が必要です。

参考:料金について|さくら鍼灸接骨院

マツエク

マツエクサロンはまつげにパーマを当ててカールさせたり、まつげにエクステを装着できます。まつげをボリュームアップしたり、下向きのまつげを上向きにカールさせることでノーメイクでも印象的な目元にすることができます。

自宅サロンでの料金相場は施術時間やまつげの本数によって変動しますが、両目120本またはまつげパーマで約5,000円~6,000円が相場といわれています。

参考:マツエク料金の相場とは?マツエク初心者にも分かりやすく解説!|THE SALON 二子玉川・五反田・池袋・錦糸町 マツエクサロン

美容室・理容室

髪のカット・カラー・パーマなどで身だしなみを整えるのに欠かせない美容室や理容室は、自宅サロンで開業する方も珍しくありません。

よりお客さまに近い距離で施術できるため、根強いリピーターを作るのに向いています。

自宅サロンでの料金相場は施術時間や施術内容、美容室のランクによって変動しますが、カットのみで約3,000円~4,000円が相場といわれています。

参考:カットカラーの相場はいくら?顧客のサロン選びの基準も紹介|リザービア

基礎知識③自宅でサロンを開業するメリット・デメリット

自宅のスペースを利用して開業する自宅サロンは、開業する上でさまざまなメリットが期待できます。

一方で対策すべきデメリットも存在しますので、メリット・デメリットを踏まえて自分の強みが活かせるサロンを作りましょう。

低コストで開業が可能

自宅でサロンを経営する最大の強みは、低コストで開業可能な点です。

通常、テナント店舗や商業用の賃貸物件を借りる際は、物件を獲得するための費用に加え、内装工事費用がかかってきます。開業資金の金額相場は約300~500万円といわれています。

一方で自宅サロンは備品代や必要な個所の内装工事費用のみで済むため、開業資金の相場は約10~50万円と大幅に開業のコストを下げられます。

自由な時間管理ができ家事や育児と両立しやすい

通勤時間が無いことも、自宅サロンのメリットの1つです。

さらに自分のスケジュールに合わせて自由にサロンの時間管理ができるため、プライベートの時間を確保しやすくなります。

例えば、予約が集中しやすい午前中は仕事をこなし、予約の空いた午後の時間に家事を終わらせるといった働き方もできます。

家事や育児と両立しやすいことから、結婚を機に自宅サロンの開業を検討する方も多いようです。

リラックスした空間を提供しやすい

リラクゼーションやエステなどの施術サービスでは、サロン選びにおいてお客さまがよりリラックスできる空間を求めている傾向があります。

自宅サロンはプライベートな空間を演出しやすいというのが特徴です。

自宅サロンでは比較的少人数で運営するため、1人1人の施術に集中し丁寧な接客サービスが提供できます。

お客さまとの距離が近く、リピーターになってもらいやすいのもメリットの1つです。

音や駐車場の問題がある

生活音や周囲の騒音注意しなければいけないことも、自宅サロンならではの注意点です。プライベート感が売りの自宅サロンにとって、生活音や周囲の騒音はマイナスイメージとなり、お客さまが離れてしまう要因になります。

また、住宅街や郊外にあるサロンの場合は車で来店するお客さまも多いことでしょう。

十分な駐車スペースを確保しておかないと、路上駐車をされてしまう可能性も少なくありません。路上駐車は近所迷惑になり、サロンの印象もよくないため注意が必要です。

プライバシーやセキュリティの問題がある

自宅サロンの開業で懸念されるのが、住所を大々的に公開できないため集客がしにくいという点です。

家族のプライバシーや安全面を考えても、住所を公開しての広告宣伝は現実的ではありません。

また、Web媒体で集客する際は素性のわからない方がサロンへ出入りすることになります。

どんなお客さまが来るかわからないため、防犯カメラをつけたり、住所や電話番号など必要な情報をしっかりと把握しておくことが必要です。

自宅サロンに不安を感じるお客様もいる

自宅サロンはプライベートな空間が演出できることがメリットの1つですが、マンツーマンでの施術がほとんどのため、人目が無いことにかえって不安に感じる方も多いようです。

貴重品用の鍵付きロッカーを用意しておく、電話番号や住所などが記載された名刺を先にお渡ししておくなど、リラックスしてもらうための対策を検討しましょう。

こちらも読みたい:自宅サロンは怖い?お客様とオーナー側の不安を解消するための5つのコツ

業務とプライベートの境界線が曖昧

自宅サロンの強みは自分の時間が自由に作れることですが、いつでも仕事ができてしまう環境のため、サロン業務とプライベートの境界線が曖昧になってしまう可能性もあります。

家事や子育ての両立を目指して自宅サロンを開業したにもかかわらず、サロン業務へ時間を費やしてしまい子どもとの時間がなかなか取れないといった悩みを抱えている方も少なくありません。

サロンスペースと生活スペースはきっちり分ける、勤務時間を管理するなど対策が必要です。

周囲や家族の理解が必要

自宅サロン開業するにあたり、近隣の方や家族の理解を得ることも重要です。自宅サロンには不特定多数の方が多く出入りすることになります。頻繁に知らない人が出入りすることを不安に思う方もいるでしょう。

家族に対しても同様で、お客さまから目に入るスペースはキレイに使うことや、お客さまが来店している時間は物音に注意してもらうなど、自宅サロンの運営は家族の協力が必要不可欠です。

立地を選べない

自宅サロンは既にある自宅スペースを利用するのが基本です。住んでいる地域で集客活動しなければならないため、自分が目指すサロンに合ったターゲットが集客できるとは限りません。

住宅街や郊外であることも考えられることから、集客そのものに苦労するケースが多く見受けられます。

限られたターゲットや条件の中で集客するには、工夫を凝らして日々リピーター作りに注力することが重要です。

基礎知識④自宅でサロンを開業する際に気をつけるべきこと

自宅サロンを開業する際に、注意しておくべきポイントをまとめています。注意点をきちんと把握して、サロンをいち早く軌道に乗せられるように努めましょう。

賃貸の場合は契約を確認する

賃貸物件を自宅サロンとして利用する場合、物件によっては商用利用が不可とされているケースも少なくありません。

通常の賃貸物件は「住居用」として貸し出している物件がほとんどのため、サロンとして活用したいなら自宅兼オフィスとして活用できる「SOHO物件」など商用利用できる物件を探しましょう。

住居用の物件をサロンとして利用してしまうと、サロンをせっかくオープンしても物件契約を打ち切られてしまう可能性があるため、注意しましょう。

近所や家族の理解を得る

自宅サロンを開業することに対して、事前に近隣の方や家族の理解を得ることは重要です。生活感を出さないための工夫や、生活音などをなるべく出さないように協力してもらいましょう。

不特定多数の方が出入りすることへ不安を感じる住民の方もいることでしょう。近隣の方への配慮は常に欠かさないようにしなければなりません。

安全性や衛生面に配慮する

自宅サロンは、自宅でお客さまと2人きりになるケースが多く、また、住所をある程度公開する必要があるため、セキュリティ面ではどうしても不安な点が残ります。

なるべく個人が特定されてしまうような写真はWeb上で使わないようにしたり、電話転送サービスを活用したりするのも良いでしょう。念には念を入れ、セキュリティ会社と契約しておくのもおすすめです。

また、自宅サロンの衛生管理を不安に思うお客さまも多いようです。サロンスペース内の消毒はもちろん、使用器具の滅菌など、お客さまの来店ごとに清掃を徹底するようにしましょう。

ハウスルールやキャンセルポリシーなどを定めておく

自宅サロンにおいても、サロンのルールやキャンセルポリシーはしっかりと決めておくことが重要です。集客が難しい自宅サロンだからこそ、お客さま1人のキャンセルは重大な機会損失となってしまいます。

具体的には、以下のようなものがあります。

・泥酔した方は入店お断り

・遅刻・当日キャンセルが3回続いた方は入店お断り

・当日キャンセルは施術料金の50%のキャンセル料

ルールを守ってくれるお客さまに、スムーズに予約をとってもらえるようなサロンのシステム作りを目指しましょう。

基礎知識⑤自宅サロンの開業資金の目安

自宅サロンの開業資金は、テナントを借りるよりも比較的安く抑えられる傾向があります。一般的に開業資金の相場は約10~50万円といわれていますが、施術で必要な機材やサロンスペースの間取りによって内装工事費用が変動するため、相場よりも高くなる可能性があります。

さらに、自宅サロンは利便性の良い場所にあることが少ないため場所がわかりにくく、広告費を大目に検討しなければいけないケースもあるでしょう。

まとめ 自宅サロンでの開業に不安がある方はシェアサロンの活用もおすすめ

自宅サロンでの開業についてまとめました。

自宅サロンの開業は開業コストを大幅に抑えられることで注目されていますが、一方で集客の難しさも懸念点として挙げられます。

さらに、プライベートとの切り替えやセキュリティ面でも工夫するべきポイントが必要になりそうです。

自宅サロンでの開業に不安を感じた方は、シェアサロンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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