「独立前に下積みして、自信をつけることが大切」美容鍼灸サロン「Lune」池田院長

大阪市内と泉南市に2店舗を構える美容鍼灸サロン「Lune」院長の池田暖奈さんは、当初から独立を視野に入れつつ、あえて十分な下積みを経験することを選び、東京の大手美容鍼灸院に就職しました。

同院の店舗で院長を務めるまでに研鑽を重ねた後、現在は自身が運営する大阪の2店舗のほか、県外でも出張施術を行うなど、幅広いエリアで活躍されています。

独立後に店舗を構えるまでの間、そして出張施術を行う現在もminoribaを活用している池田さんに、minoribaを知ったきっかけや利用して良かった点など、幅広くお話を伺いました。(聞き手:minoriba 編集部)

※本インタビューは2022年7月に実施されました

「自分に自信をつけたい」東京での下積みを経て独立へ

――まずは、これまでの経歴について教えてください。

学校を卒業後、当時アルバイトをしていた地元の鍼灸接骨院に約3年勤務しました。そこでは高齢者やスポーツをしている学生の方の施術が中心でした。

当時から独立願望があり、3年で辞めると決めていたものの、いざ3年経ってもなかなか自分に自信が持てなかったんです。鍼灸も自分のやってみたいことではあったものの、どこか違うような気がして。他に何か自分にできることはないかと探して、興味を持ったのが当時流行していた美容鍼でした。

美容鍼という新しいことを始めるのだから、イチからしっかり学びたい。そう思って、東京の有名なサロンを探し『銀座ハリッチ』に就職しました。銀座や表参道で勤めた後、当時新店舗だった福岡院で院長に就任しました。

合計で3年半、ハリッチでは美容鍼の技術はもちろん、SNSでのPR方法など、集客において大事なことも学びました。

そこで自信をつけたからこそ、目標だった独立に踏みきることができました。現在は、大阪市内と泉南市に2店舗構えながら、福岡、広島、兵庫、東京を中心に出張施術も行っています。

――minoribaを利用されたきっかけはなんでしょうか。

独立当初は資金もなく、お客様もいませんでした。すぐに店舗を持つことも考えましたが、月10万円ほどの家賃は苦しく、さらに拠点にしようと思っていた大阪にはSOHO物件がなかなか見つからなかったんです。だからまずは1年、レンタルサロンを利用して活動することに決めました。

拠点は大阪で考えていましたが、福岡で施術したお客様から「福岡に来てほしい」と要望をいただいたので、福岡でも活動していました。それから、私の実家がある兵庫のほうで友人に声をかけたり、弟が住んでいる広島で弟の友人を施術してSNSで紹介してもらったりと、周りの人に声をかけながら活動の幅を広げていきましたね。

利用するレンタルサロンは、主にInstagramで探していました。鍼灸ができる施設が意外と少なかったり、清掃が行き届いてなかったりすることもあって、レンタルサロン探しには苦労していたんです。そんなときにminoribaと出会い、利用してみることに。それから2年ほど継続して活用させてもらっています。

minoribaのメリットを最大限活かしたサービスを提供

――minoribaを利用して良かったことを教えてください。

初めて利用したとき、部屋に入った瞬間「すごく綺麗だな」と思いました。必要な物もしっかり揃った環境でありながら、値段もリーズナブルなのがとてもありがたかったです。

それから、minoribaはその場にスタッフの方がいてくれるのも個人的には嬉しいポイントです。レンタルサロンは時間で料金が決まるので、お客様の予約を詰めてしまいがちですが、お客様にお待ちいただく際「少々お待ちください」と声をかけておいてくださるので、助かっています。あとは1日貸しプランが用意されている点も良いですね。

――池田さんから見て、minoribaはどんな人におすすめしたいでしょうか。

独立してすぐの状態で資金がない人や、固定のお客さんがいない人、そして博多や中洲エリアで店舗を持つことを考えている人にもおすすめしたいです。


まずはレンタルサロンを利用してお客様を増やしながら、どのあたりのエリアに需要があるかを探っていくと、どこに店舗を持つべきかが見えてきます。ある程度、施術回数を重ねてお客様と信頼関係を築いていけば、極端に遠くなければ場所を問わず利用してくれるはずです。

まずは拠点を作らず、レンタルサロンを活用して集客を安定させるのがいいと思います。minoribaは清潔感があって物も揃っているので、初めての方にもおすすめです。

minoribaでの集客を自信に、店舗開店へ

――1年ほどレンタルサロンでの施術を経て、店舗を構えられたのですね。

レンタルサロンでの施術を重ね、集客が徐々に安定するようになりました。お客様が増えて嬉しい反面、レンタルサロンはどうしても時間の枠が限られてしまうため、焦って施術することが多くなってしまって。一人ひとりのお客様と、もっとゆっくりと話をしながら施術したい気持ちが強くなり、店舗を持つことを決めました。

鍼灸院を開くには、受付や施術室、待合室の広さなどの規定を満たした物件を選ぶ必要があります。大阪で物件を探す際には、SOHO物件の中から、そうした条件に当てはまるところをまずは探しました。その中から、清潔感があり安心できるところ、人通りが活発なところ、若者よりも上の世代の方が多そうなところなど、条件を加えた上で、今の店舗を選んでいます。

現在は30〜40代の人で、たるみや小顔の改善を望まれるお客様が多いです。これから徐々に20代の方も増やしていきたいので、SNSなどをより活用し、お客様の層を広げていきたいです。店舗を持ってから、物販にも力を入れられるようになりました。現在はパックとシール鍼のみ販売していますが、これから徐々に商品を充実させる予定です。

将来的には、海辺にサロンを開きたいなと思っています。ハワイのようなイメージで、お客様がゆったり過ごせるリラクゼーション空間を作ってみたいですね。

――店舗運営を行うなかで、大事にされていることはなんですか。

自分ができないことは人やシステムに素直に頼ることです。例えば財務や経理についてはわからないことが多く、恩師に何をする必要があるかを全部聞きましたし、税理士さんには独立当初からついてもらっています。今でも補助金や、会計の相談にのってもらえるので心強いです。

お客様が増えた段階で、有料の顧客管理アプリを導入しました。月々1万8,000円ほどコストがかかりますが、きちんと管理しておかなければ、問題が発生したときに困りますよね。お客様が増えれば増えるほどさまざまなリスクは高まりますし、自分でどうにもならないことは、専門の方やシステムに任せるようにしています。

メンタル面では、成長し続けることを大事にしています。一人で働いているとライバルがいないので、「このままでいいのかな」「他のところはどうなんだろう」と考えすぎてしまうこともあって……。だから向上心を持って、足りないところは勉強して補う意識を持つようにしています。

例えば、コロナ禍で減ったお客様が今でも戻ってこないということは、その方にサービスが響いていなかったと予想できます。もう少し、施術やサービスの幅を広げていく必要があるのかもしれない。だからアロママッサージや、ベビーマッサージ、婦人科疾患に関係する施術ができるよう資格を取得しようかなど、今もいろいろと考えています。

鍼灸は美容だけではなく、勉強して資格を取れば幅を広げたり、方向転換ができたりするので、可能性の幅がある仕事だと思っています。

「まずは自信をつけるための下積みを」独立を考えるセラピストへメッセージ

――今、独立を考えているセラピストへのアドバイスをお願いします。

独立する前にまずは下積みを積んだほうが良い、というのが私の考えです。いきなり独立しても、その時点で自分の施術に自信を持てる人は少ないのではないでしょうか。自信の無さはどうしても、お客様に伝わってしまいます。そうなるとリピートにつながらず、集客も行き詰まってしまうかもしれません。

だからまず、3年は下積みを経験して「これなら一人でもできる」と、自分に自信をつけることが大切だと思います。

それから、資金は貯めておいて損はありません。集客についてはInstagramなどのSNSでまずは頑張ってみると良いでしょう。SNSは無料で活用できますし、お客様と直接つながることができるツールなので、運用に力を入れる価値は大きいです。

――さいごに、今後minoribaに期待することを教えてください。

2人同時施術ができるようになると嬉しいですね。鍼灸は1人の空間がいいという方もいらっしゃる反面、1人だと怖いと感じる方も意外と多いです。お友達と一緒に、またはカップルで受けたいという声もよく耳にします。2つのベッドが完備された空間が選択肢にあれば、サービスの幅が広がると思います。

それから、情報交換や総合集客ができる場があれば嬉しいです。minoribaを利用する人たちで集まる機会を設けてもらって交流できたらいいですよね。例えば、アロマエステを探してるお客様がいたら、minoribaを活用しているセラピストさんを紹介できるといったシステムがあれば、より活発になるのではないでしょうか。

フリーランスはどうしても、自分一人では情報収集や集客が偏りがちです。その中で、情報交換や集客につながる可能性のある場があればモチベーションも高まるので、助かる人は多いと思います。

インタビューを終えて

大阪で2店舗を構えながら、現在も県外での出張施術を積極的に行う池田さん。「自分に自信を持つこと」を大事に、向上心を持って顧客と向き合う姿勢は、各地で彼女の施術を心待ちにする方々にも伝わっているのでしょう。

これからも美容鍼灸院としてサービスの幅を広げながら、誰もがゆったりと過ごすことのできるリラクゼーション空間を追求していきたいと、池田さんは語りました。

美容鍼灸サロン「Lune」
サロンホームページ:https://www.lune0208.com/
サロンのお問い合わせ:https://www.lune0208.com/contact.html