美容室開業のために必須の5つの道具!揃え方や準備方法まで解説

美容室を開業するために必要な道具、きちんと把握できていますか?美容室を開業して成功へ導くためには、綿密な事前準備が重要です。そこで本記事では、開業準備をスマートに進めるための必須の準備や道具の選定方法を解説していきます。独立を考えているけれど、どのような道具が必要なのかを把握できていない方は参考にしてください。

美容室開業のために必須の5つの道具

開業の準備をスムーズに進めるために、まずは美容室開業に必須である道具・設備をチェックしておきましょう。美容室開業のためにはさまざまな道具や設備が必要になりますが、特に優先して準備しておきたい道具や設備は以下の5つです。

  • セット面(鏡・椅子)
  • シャンプー台
  • 洗濯機
  • レジカウンター
  • ワゴン

美容室開業のためにはさまざまな道具や設備が必要ですが、必要な道具が多すぎて困っている方も多いことでしょう。

何から手をつけたら分からない方は、まずは、上記の5つの道具や設備の準備から考えて始めてみてはいかがでしょうか。

美容室開業のための道具の種類と選び方

美容室開業のために必要な道具や設備を決める際、抑えておくべきポイントを解説していきます。

道具や設備は美容室のコンセプトを構成する重要な要素となりますので、購入の前に目を通してリスト化しておくのがおすすめです。

美容室に必要な大型の什器

お客様から見える陳列棚やワゴン、ラックやショーケースなどの大きな什器は存在感があるため、美容室の雰囲気作りに大きく影響します。

施術に直接的に影響するような道具ではないため予算を押さえたい所ではありますが、サロンの雰囲気に合わないものだと印象を悪くしてしまう可能性もあるので要注意です。

美容院の雰囲気やコンセプトに合った上で、価格も納得できるような什器を揃えていきましょう。

また、大きな什器・家電類は準備漏れがあると、後からでは搬入しにくく面倒なため、大きい什器・家電類から準備するのがおすすめです。

雰囲気を良くするインテリア

美容室の雰囲気作りを目的としたインテリア用の什器は、店舗のコンセプトをアピールするために非常に重要な役割を担います。

そのため、コスパ優先の家電類とは違ってデザインにとことんこだわって選ぶのがおすすめです。

特に通りに面した店舗やガラス張りで内装が見えやすい店舗は、外から内装をチェックできるためインテリア選びは慎重に行う必要があるでしょう。

開業時に完璧に揃っている必要はないため、焦らずにこだわって揃えていくことが重要です。

居心地の良さやおもてなしのための用具

美容室でおもてなしに使われる用具としては、ドリンクサービスで使うカップや飲み物・お茶菓子などが挙げられます。

雑誌やブランケット・クッションなどを常備している美容室も良く見かけますね。

これらはなくても施術に困ることはありませんが、お客様へ来店いただいた感謝を伝える手段として大変有効です。

言葉で伝えきれなくても、+αのサービスでより丁寧に感謝の気持ちを伝えることができます。

ただし、開業当初は何かとコストがかかるものです。100円ショップも上手く活用しながら、最初はできる範囲のおもてなしサービスを提供すると良いでしょう。

施術に必要な用具

実際の施術に必要な用具は細々としたものが多く、いざ開店してからの抜け漏れが発生しがちです。

漏れがないように、リストアップして準備しておきましょう。美容師自身が個人で所持しているシザー類は、独立を機に憧れのブランドへ買い替える場合も多いようです。

シザーの他に使われる用具を例に挙げると、パーマに使うロッドやヘアアイロン、カラーに使うハケやコームなど多くの用具があり、準備が大変に思うかもしれません。

まずは最低限必要となる用具を優先し、他の用具は少しずつ買い足していくようなイメージでいましょう。

施術に必要な消耗品

美容室では施術に必要な消耗品が多く使われています。パーマ液やシャンプー・トリートメント、スタイリング剤などは既にメーカーやブランドを決めている方も多いことでしょう。

ただし、開業当初は経営を軌道に乗せることが最優先です。コストも加味しながら、購入や継続のしやすい商材をチョイスするのがおすすめです。

SNSで話題になっている商材や人気ブランドの商材だと、開店日までに仕入れが間に合わない可能性もあります。納期を考慮して、早めの発注を意識しておきましょう。

美容室開業のための道具を選ぶ際の注意点

美容室開業のためにはさまざまな道具が必要ですが、数多くのメーカーやブランドの中からどのような点に気をつけて選べばよいのでしょうか。

美容室開業に必要な道具や設備を選ぶ際の注意点について解説します。

道具はお店の雰囲気にも繋がる

美容室開業に必要な道具・設備は、レイアウトのひとつひとつがお店の雰囲気作りに影響します。

機能面だけでなく、見た目にも十分にこだわりたいところです。ただし、バックルームに置く椅子やテーブルなどはお客様から見えないため、機能面重視で選ぶと良いでしょう。

お客様の居心地を左右する

サロンの居心地の良さは、リピート来店に繋げる要素のひとつです。

インテリアや什器を選ぶ際はお客様がサロンに滞在している間、いかにリラックスして過ごしてもらえるかをポイントに選びましょう。

施術用の道具は使い慣れたものを選ぶ

施術用の道具は作業効率へも関わってくるため、普段から使っていて自分が使いやすいメーカーやブランドを選びましょう。

開業をきっかけに憧れのブランドへ買い替えてしまう方もいますが、開業当初のうちは自分のパフォーマンスが発揮できる、使い慣れたものを継続して使うのがおすすめです。

デザインとコスパを意識する

お気に入りのデザインを追求するだけでなく、コスパの面でも意識して選ぶようにしましょう。

お客様の目には見えない場所に設置する冷蔵庫や洗濯機などは、機能面重視でコスパの良いものを選ぶのがおすすめです。

固定資産税の対象にならないか注意

美容室の高額なインテリアや備品などは、固定資産税の対象となる場合があります。

購入に10万円以上かかったインテリアや家具、備品や設備は該当する可能性が高いので確認しておきましょう。

減価償却の対象であれば、分割して費用計上し、節税することができます。

コスト削減!美容室開業の道具の選び方

美容室開業に必要な道具や備品は、オシャレでなるべくコスパの良いものを購入したいですよね。

ここでは、美容室開業に必要な道具や備品を購入する際にコストを削減するポイントをご紹介していきます。

アウトレットから選ぶ

美容商材専門店の中には、シャンプー台やスタイリングチェア、カラー剤やセット剤まで細かな備品もアウトレット商品として販売しているところもあります。
アウトレットとはいっても、数回しか使用されていない美品がほとんどで、消耗品は未開封のものばかりです。

商品によっては通常購入価格から半額以下になっている商品もあります。新品のものを探す前に、まずは一度アウトレット品に利用できるものがないかどうかチェックしてみるのがおすすめです。

リースやレンタルを利用する

美容室で利用する道具や設備は、リースやレンタルを利用して費用を抑えることもできます。

シャンプー台やセット面の鏡、チェアなどは一括で購入するならまとまった資金が必ず必要になってくるでしょう。

しかし、リースやレンタル品を利用することで開業時の費用を抑えることができます。ただし、毎月の支払い費用が発生しますので注意しましょう。

開業時のみリース品を選び、経営が軌道に乗って上手く売上が作れるようになったらお気に入りのものを購入する方も多いようです。

通販サイト

注文する頻度の高い細かな備品や消耗品などは、通販サイトを利用するのがおすすめです。

店舗で購入するよりも金額が安かったり、まとめ買いで割引になったりするケースもあります。

サイトによっては、注文した日の翌日に配送してくれるサービスもあるので便利です。

また、購入した商品はサイトでまとめてお気に入り登録しておけば、毎月の発注作業がよりスムーズになるでしょう。

資金ゼロでも美容室は開業できる?助成金や融資の活用方法

国や自治体には、美容室を開業する際に利用できる助成金や融資制度があります。

資金ゼロでも美容室は開業できるのかが気になる方も多いでしょう。

ここでは美容室を開業するのにかかる費用の内訳や、利用できる助成金や融資制度について解説します。

美容室開業に必要な金額

美容室を新しく開業する際の必要な資金額は、一般的に1,000万円前後といわれています。

この金額は店舗の規模やエリアによって増減し、美容師が自分1人で開業するとしても約800万円程かかるケースが多いようです。

自己資本はどれくらい?

美容室を開業するためには、必要な開業資金の30%ほどを自己資金として用意しておくと良いといわれています。

仮に800万円の開業資金が必要な見込みなら、240万円を自己資金として用意する必要があるでしょう。

融資を受ける方法

美容室開業は、美容業の中でも設備費や大型の美容器材などが必要になるため、比較的まとまった資金が必要になります。

そのため、開業する方の約半数ほどが約1年前から資金を計画的に準備している傾向があります。

少しずつ開業資金を貯めるということは、開業資金を無理なく貯めるためでもありますが、融資を受ける際に計画性があることをアピールできるのもメリットとなります。

さらに、店舗を開業する前にシェアサロンなどを活用して副業としてフリーランスの美容師として働いてみるのもおすすめです。

自分自身の集客力や、売上管理などの経営スキルを試しに学べる機会になります。

自分の美容室を開業しても最初からまとまった収益を得るのは難しいでしょう。

まずはリスクを抑えて小さく初めてみることで、上手くいけば融資元へ個人の集客力を提示するデータにもなります。

使える補助金・助成金

国や自治体では新しく事業を始める方に向けて補助金や助成金の制度を用意しています。

融資を受けるほかに、出店予定エリアの自治体で利用できそうな補助金・助成金がないかどうかチェックしておきましょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、美容室開業の際に利用を検討しておきたい補助金制度です。

通常枠は上限50万円ですが、別途、創業枠やインボイス枠などもあり、最大200万円までの補助上限額となっています。

ただし、審査があるため申請すれば必ず補助を受けられるものではありません。地域の商工会議所に相談してしっかり対策しておく必要があります。

出典:小規模事業者持続化補助金|全国商工会連合会

IT導入補助金

IT導入補助金は、事業者がITツールを導入する際の費用を補助する補助金制度です。

美容室での利用が想定されるITツールは、POSレジ導入や集計・分析ツール、カルテの電子化などです。

ただし、IT導入補助金の申請には納税証明書を提出する必要があるため、開業時には申請することができません。

出典:IT導入補助金について|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金は、雇用が不足している地域で美容室を開業し、求職者を雇用する事業者に向けて支払われる助成金制度です。

開業時に申請するには、店舗設置のために300万円以上をかけていることや、対象地域に居住している労働者を2人雇用することが条件となっています。

出典:地域雇用開発助成金|厚生労働省

創業助成金

都内での美容室開業を目指すなら、まずは創業助成金がおすすめです。新しく事業を始めて5年以内の事業者なら上限300万円の助成金を受け取ることができます。

事業開始してからすぐに申請する必要はありませんが、条件を満たしていると判断するまでに2ヵ月以上かかりますので、期間には余裕を持って申請するのがおすすめです。

出典:創業助成金|東京都創業NET

その他の美容室開業のために準備すべきこと

開業資金の目処が立ってきたら、必要な道具・設備の選定と同時にその他の準備を進めていきましょう。何から始めたら良いかわからない方は、以下にまとめましたので参考にしてくださいね。

物件探し

どのエリアにサロンを構えるかは、今後の美容室経営で大変重要なポイントです。

自分の理想とするコンセプトに合ったサロンが作れるか、ターゲットの集客は十分見込めそうかなど、あらゆる方面から検討する必要があります。実際に街を歩いて、よく観察してみましょう。

看板

テナントによっては看板の出し方に制限がありますが、出せるようならサロンの看板を作りましょう。

看板を出すことは、宣伝や新規顧客来店のきっかけになります。

ロゴなどのデザインは、看板だけでなく名刺やポイントカードでも使用するため、できればオリジナルのものを用意しましょう。

宣伝・集客

美容室の場所が決まったら、集客活動をどんどん行っていきましょう。

細かなメニューや内容が決まっていなくても、美容室のコンセプトをアピールするだけで十分な集客効果が期待できます。

公式のホームページを作成するのもおすすめですが、使い慣れているSNSを活用するのも効果的です。

準備風景や美容室の内装などを投稿するだけで、存在を知ってもらえるきっかけになります。

名刺やポイントカード

初めて来店された方には名刺やポイントカードを必ずお渡しして、リピーターをどんどん獲得していきましょう。

名刺には連絡先の他に自分のSNSアカウントを記載しておくと、スタイリングや会話のきっかけにもなるのでおすすめです。

予約システム

予約システムを導入すれば、24時間365日予約を受け付けることが可能です。

特に少人数で営業する美容室は、施術中に電話予約を取ることが難しいため、予約システムの導入はおすすめですす。

予約機能に加え、顧客管理機能でカルテとして活用したりデータの集計や分析機能もついていたりする予約システムもあるため、予約システムを導入しているサロンは多いようです。

従業員の採用

開業準備を進めるのと同時に、従業員を雇う予定がある方は採用の準備にも着手していきましょう。

美容師が不足している今、従業員1人雇うのも簡単なことではありません。

少なくとも内装工事が始まる頃には採用活動を始めてください。美容師専門の人材派遣会社を利用するのもおすすめです。

賠償保険に加入する

施術中に賠償責任が発生するトラブルが起きる最悪のケースも想定して、賠償保険は必ず加入しましょう。

「お客様の大切な洋服を汚してしまった」「ヘアアイロンでやけどさせてしまった」などのケースは、珍しいことではありません。最悪の事態に備えてしっかりと準備しておきましょう。

営業許可の申請

店舗の構造や設備が、美容室として営業するための基準を満たしているかどうかは、保健所が審査を行います。

内装工事を始める前に、予定している工事の内容が設備基準を満たしているかどうかを保健所に確認しておきましょう。

店舗の内装が完成したら、保健所に連絡して営業許可を申請します。

まとめ

美容室開業をお考えの方の中には、必要な道具や設備がたくさんありすぎて選べないという方も多くいらっしゃることでしょう。

お客様から見える大型の什器やインテリアなどは、とことんデザインにこだわって選びたいものですよね。

しかし、美容室開業は道具や設備の準備だけでなく物件獲得や内装工事など、あらゆるところで費用がかかります。

バックルームに設置する椅子やテーブル、白物家電などはコスパ重視で選び、費用削減できるところでなるべく抑えられるようにしましょう。