「目の前の人を大切に」セラピスト貴子さんが施術で大切にしていること

「看護師経験も活かし、人の役に立つ仕事がしたい」

そんな想いから、福岡市・糟屋郡を中心に活動するセラピスト歴12年の貴子さんは、子育て上の理由から自宅を利用できずに困っていたとき、シェアサロン「minoriba」と出会いました。

家事と子育てをこなし、セラピストの講師としても活動する貴子さんに、minoribaを選んだ理由やこれまでのキャリアについてお話を伺いました。(聞き手:minoriba編集部)

看護師経験を経て、セラピストの道へ

――まず、セラピストの道を歩まれるまでの経歴について教えてください。

もともとは看護師をしていました。新卒で6年ほど働いた後、2人目の出産・育休を機に、マッサージやリンパトリートメントの勉強を始めたんです。ホスピスで働くことに興味があり、育休中に資格を取ろうと勉強し始めたらすっかりハマってしまって。

看護師として働いていたときにはたくさんの患者さんを診る必要があり、一人ひとりとしっかり向き合えないことや、身体面のケアが優先で心のケアができないことにジレンマを抱えていました。

セラピストとして活動すれば、より一人ひとりに寄り添うことができる。そう思って資格を取得し、セラピストの道に進もうと決めました。

ビジネスの基本も知らずにいきなり独立しましたが、私が出産した産婦人科の助産師さんに「ちょうど産婦人科でエステを立ち上げるから入らないか?」とお誘いを受け、施術を行うようになったのが始まりです。

1年半ほど経験を積み、個人宅で開業をスタートしました。集客は子どもの友人のお母さんが営む漢方薬局でリンパケアの講座をさせてもらったり、町の公民館などで開催される地域のイベントに参加させてもらったりして、口コミで少しずつ増やしていきました。

――そのまま順風満帆にセラピストの道を歩まれたのでしょうか。

実は一度、事業を畳む経験をしています。お客様が増えてきたこともあって、リンパをもっと深く学ぼうと勉強を始めたのですが、勉強の費用と売上の採算が合わなくなってしまい、創業から6、7年目くらいで廃業しました。

その後、知人から訪問看護ステーションの看護職の声を掛けてもらい、「誰かの役に立てるなら」と、再び看護師の仕事に就きました。しばらく看護師の世界へ戻っていたのですが、今から2年ほど前にセラピスト業に復帰し、minoribaを利用させてもらっています。

――minoribaを利用しようと思われたきっかけはなんですか。

SNS経由で「minoribaを使ってみませんか?」と連絡を頂いたのがきっかけです。ちょうどその頃、子どもが3人になって自宅での施術が難しくなった時期で、良いシェアサロンを探していたタイミングでした。すごくありがたいと思ったのを覚えています。それがきっかけで実際に見学をさせていただき、すぐに利用することを決めました。

リーズナブルなminoribaを自宅以外のサロン拠点に

――minoribaを利用して良かったと思うことを教えてください。

まず、minoribaはアクセスの良い立地にあるのが良いですね。駅からすごく近いのはお客様にとっても便利です。そして博多の天神にもかかわらず、リーズナブルで利用しやすい。内装も綺麗で、生徒さんや同業仲間にも紹介しています。

――貴子さんから見て、minoribaはどんな人におすすめでしょうか。

セラピストとして独立直後の方におすすめしたいです。所属するサロンがない方や、天神などの繁華街でお仕事をしたい場合にはぴったりだと思います。

あとは、自宅をサロン代わりにしたいと考えていて、初めてお会いするお客様をいきなり自宅に招くのに抵抗がある方にもおすすめです。信頼関係を築くまではminoribaを利用するという使い方も一つだと思います。

貴子さんがセラピストとして大事にしている3つのこと

――minoribaの利用を経て、現在は多くのお客様や生徒さんを抱えておられるのですね。

セラピストとして活動を再開した際、過去お世話になったお客様や、一緒にお仕事をさせてもらったお店の方など、「開業しました!」と色々な人に話して回りました。過去のつながりから口コミで少しずつ広がっていきましたね。

――日々、施術を行うなかでどんなことを意識されていますか?

まずは目の前の人に100%の愛を持って施術をすることです。そこに我を入れない。お客様に寄り添った施術をする事を大事にしています。その想いは手を通してお客様に届きます。幅広く活動するよりも先ずは目の前の人を大切に。そして地域密着でコツコツとやってきた事が今に繋がっています。本当にご縁に感謝しかありません。地元の方に知ってもらい、信頼してもらえばそれでサービスが成立する。自分のできる範囲でも商売が成り立ちます。

それから、心に余裕を持って仕事にあたること。赤字が続くと、「お客様の人数=お金の計算」になってしまいます。セラピストは自分の想いが手からお客様へ伝わります。余裕がないと「この人、お金儲けでやってるな」と伝わってしまいます。赤字の経験を通じ、そんな状態で施術を続けることに自分は向いてないと知ってから、安定したお給料を得ながら活動できるように考えることも大切にしています。

そして、「一生勉強」です。もっと看護師の資格や経験を活かした施術ができるようになりたいですし、将来的には実家の熊本で自然に囲まれた癒しのサロンを構えたりもしたいです。さらには、同じ志を持つ仲間、心身共にサポート出来る仲間を増やし予防医学にも貢献したいと思い、ケアイスト協会の認定講師としても活動を始めました。

夢を実現させる為にも日々勉強したいことは絶えません。

このminoribaさんとの出逢いでも本当に沢山の事を教えていただき感謝しています。出逢ってくださった方々から沢山の事を学ばせていただき、また還元していきたいと思っています。

「まずは自分をよく知ることから」――独立を考えるセラピストへのメッセージ

――独立を考えているセラピストの方へのアドバイスをお願いします。

何よりも自分をよく知ることが大切です。色々な経験を通じて、自分がどのようなタイプの人間で、何のためにセラピストの仕事をするのかを言葉にできることが大事です。色々な人の真似をして、「自分にはそれが向いていなかった」とわかることもあります。それもまた勉強です。

それから、ビジネスの基本や知識、情報は積極的に取り入れたほうが良いでしょう。たとえば売上や原価といった基本の感覚や、利益がどれくらい残るか、そんな基本だけでもわかるビジネス脳を作っておくと失敗の確率を下げることができます。

私は失敗しながら培ってきたものの、まだ足りないと感じるので今も勉強しています。どうしても技術面にお金や時間を使いがちですが、そこに力を入れ過ぎるとうまくいかなくなるかもしれません。

それこそ、「minoribaのようなシェアサロンを使えば自宅以外の場所で施術ができる」という情報も、知っているかどうかで可能性の幅が変わりますよね。技術を磨くことも大切ですが、そうした知識や情報を積極的に得ることも、事前準備として必要です。

――最後に、今後minoribaに期待することはありますか。

駆け出しのセラピストを全面的にサポートしてくださるサービスがあればもっと嬉しいです。場所だけでなく、ビジネスの基本などを学ぶことができたり、それらを通じてコミュニティに入れたりとか。学びの場や失敗したときに相談できる場があれば安心できます。

minoribaが「セラピストのための集いの場」のようになれば、さらに魅力的なサービスになるのではないでしょうか。

インタビューを終えて「ぶれない目標を見つけて、一歩踏み出す」

さまざまな経験を経て自分自身を知り「人の役に立ちたい」というぶれない目標を見つけた貴子さん。その向上心がminoribaの活用や積極的な集客、施術・ビジネスの学習など「次の行動」を生み、現在の活躍へとつながっています。

家庭と仕事を両立する貴子さんのようなセラピストのサポートができるよう、minoribaは今後もサービスを提供していきます。

プロフィール

ケアイスト協会GM 認定講師
貴子

福岡在住。熊本の自然豊かな場所で、高校卒業まで暮らす。
人と携わる仕事、人の役に立つ仕事がしたいと漠然と思っていたが、高校の時に父が病気になったのをきっかけに看護師になる事を決める。

熊本市内の看護学校を卒業後、総合病院へ就職。結婚を機に、福岡へ移住。看護師として総合病院、がんの専門病院に6年勤務。内科、外科、ターミナル期、手術室などを経験。看護師としてのやり甲斐を感じながらも、多忙な日々に業務をこなす事に精一杯となり、患者さんの心まで寄り添えているかと自問自答する日々が続く。カラダだけでなく、こころまでもケアが出来るようになりたいと強く思うようになる。

第二子を出産後、2011年〜リンパケアを学びセラピストとして活動を始める。
(リンパデトックス&リリース・ベビータッチケア・ファミリーリンパ・レイキ等取得)

2017年〜訪問看護の仕事も経験し、健康寿命を伸ばす事、ホームケアの重要性を強く感じるようになる。
2019年認知症心理カウンセラー取得。
2020年に脳洗浄®︎の手技取得。
2021年にアドラー流メンタルトレーナープロ取得。
2021年7月〜脳大成理論を学び始める。

2022年〜以前より思い描いていた『こころもカラダもケア出来る人を増やしたい』、『予防医学に携わり社会に貢献したい』、『愛と感謝と喜びが循環する社会にしたい』という想いが、ケアイスト協会代表の貴美先生と一致し、二人三脚でケアイスト協会の立ち上げをサポートする。